2021.01.30

鍵山優真、世界選手権へ向けて確かな成長。貪欲な17歳は大技も視野に

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 坂本清●写真 photo by Sakamoto Kiyoshi

 今季シニアデビューした期待のホープ、17歳の鍵山優真が、冬季国体フィギュアスケートの少年男子個人の部で、2位に30点余りの大差をつける圧勝で優勝した。

 27日のショートプログラム(SP)では、4回転を跳ばないジャンプ構成というジュニア課題ながら95.12点の高得点をマークして首位発進。4回転2本を跳んだシニアルール下の全日本選手権SPで出した98.60点と比べ、その得点差がわずか3.48点だったことから、鍵山本人も思わず苦笑い。「ない、ない」と言わんばかりに顔の前で右手を振ってみせた。

「ちょっとさすがに出すぎたかなと思いました。出ても90点くらいだと思っていたので。何にも言えないです。これ以上もないのかなと思います」

冬季国体男子個人の部で優勝した鍵山優真、ショートプログラムの演技冬季国体男子個人の部で優勝した鍵山優真、ショートプログラムの演技  ただ、試合を重ねるごとに複雑な曲調とテンポが続く難しいプログラムを着実に滑りこなしていることは間違いない。その証拠に、4回転ジャンプがなくても、得意のスピンとつなぎとステップなどの表現力で得点を稼ぎ、演技構成点は全日本選手権から約2点もアップ。もちろんジャンプの質の向上もある。4回転と比べてストレスなく跳べる3回転でのGOE(出来栄え点)加点は2点以上が並び、技術点はただひとり50点を超えた。

「今日のSPはジュニア課題なんですけれど、一番いい演技ができたので、とてもよかったと思います」

 一方、28日に行なわれたフリーの『アバター』では、冒頭の4回転サルコウで転倒したが、4回転トーループ2本に、プログラム後半には3回転ルッツ+3回転ループの高難度の連続ジャンプやトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)2本を決めて、トップの175.70点を叩き出し、合計270.82点。完全優勝を飾ってみせた。

「4回転サルコウで珍しいミスというか、転倒をして、自分でもびっくりしましたが、その後にしっかりと立て直すことができたので、そこはひとつの成長かなと思います。つなぎやステップでは自分の感情を込めて踊ることができました。連戦で疲れている中、しっかりと集中できたのは自分にとってすごく成長を感じたし、ひとつのミスがあってもすぐに立て直して集中できたのはよかったと思います」