臥薪嘗胆。樋口新葉は五輪出場とメダルまでの距離を計算している
愛知国体成年女子SPを滑る樋口新葉 愛知国体・フィギュアスケート成年女子。樋口新葉(20歳、ノエビア)は総合184.41点で5位に甘んじている。その実力とキャリアを考えれば、満足できる成績ではない。ショートプログラム(SP)は4位、フリースケーティングは7位だった。
「全然、よくなかったですね」
大会後、東京代表の樋口は淡々とした口調で言ってから、毅然としてこう続けた。
「(シーズンを通して)すごく悔しい1年ではありましたけど、ここから次の1年にどうつなげられるか。それを考えられるようになってよかったというか。複雑ではありますけど、来シーズンにつながる1年になったので、その点では、いい1年だったなと」
本人にしかわからない感覚とビジョンがあるだろう。どこにスケーティングのベストをもっていくのか。2021ー22シーズンは、北京五輪出場を懸けた戦いになるのだ。
「絶対、(2022年2月に予定される北京)オリンピックに行きたい」
樋口は大会後のオンライン会見で言って、声に力を込めた。見据えた先は明らか。今はあくまで、そのプロセスを過ごしているということかーー。
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