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羽生結弦が進化させた競技レベルへ一歩ずつ。鍵山優真と佐藤駿の挑戦 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Dreams on ICE 2020

 鍵山はこう話すように、後半は全体的に焦りが見える滑りになり、4回転サルコウで転倒して最後のトリプルアクセルもシングルになるなどミスを連発。「後半に4回転とトリプルアクセルが入っているので、体力がすごく大事になると実感した。もっと体力をつけることがこれからの課題です」と、本人は反省しきりだった。

 2番滑走の佐藤は、練習で苦しんでいた冒頭の4回転ルッツで転倒するスタート。続く4回転サルコウはきれいに決めたが、次の4回転トーループは着氷した後でスリップするような形になって転倒。それでも、続く4回転トーループ+3回転トーループは成功させ、4回転4本のチャレンジを終えた。

 その後は、フライングシットスピンからスピードを取り戻すと、後半の連続ジャンプと単発のトリプルアクセル2本も耐えて、最後の3回転フリップからの3連続ジャンプをしっかり決めた。

 佐藤のプログラムは、SPと同じくリショー氏の振り付けの『バトル・オブ・ザ・キング』。こちらも難度が高く、プログラム自体をまだこなし切れていない感じだが、「ミスはあったが、初めてにしては4回転を4本入れる構成をけっこうまとめられたと思う。これから4回転をどんどん磨いて効率を上げていきたいです」と納得の表情だった。

 シニア初シーズンながら、ふたりのプログラムはそれ自体が表現を強く意識しなければいけない難しいものだ。加えてSP、フリーともに複数種類の4回転ジャンプを入れた構成は、世界をけん引するシニアのトップ選手にも引けを取らない。

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