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羽生結弦を追いかける日本男子スケーターふたりが攻略したい「壁」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

「4回転は何とかまとめられた感じでしたが、調子が落ちていた不安もあったので、トリプルアクセルはうまく浮かない感じで決まらなかった。僕はアクセルを得意と言えるような選手ではないですし、4回転もまだ難しいと思っています。トリプルアクセルについては、いつでも跳べる状態にはまだなっていないので、もっと練習量を増やしていかなければいけないと思っています」

 こう話す山本は、フィンランディアのSPで結果を出せたことで、さらに上を目指す向上心を持つようになり、270~280点を意識するまでになっている。

「あの時は連続ジャンプが4回転+2回転でも92点だったので、4回転+3回転にしてショートは90点台後半を出したい。フリーは昨季最終戦で171.63点を出していますが、今季の構成はそれより難しいので、しっかりやればそれ以上の点数を出せると思う」

 そのために取り組んでいるのは、フリーの演技を安定させることだ。昨季171.63点を出した時、4回転はトーループ1本だけだったのに対し、現在は4回転サルコウ2本、4回転トーループ1本の構成になっている。そのフリーをしっかり滑ることができるようになれば、さらに点数は伸びてくるはずだ。

 一方、グランプリ(GP)シリーズ初戦のスケートアメリカで5位だった友野一希は、今回も同じようにSPで出遅れる結果となった。

「スケートアメリカ以降は調子が良かったので、リラックスして会場入りできましたが、ジャンプを跳ぶ時に少し慎重になってしまった」と言う友野は、最初の4回転トーループは回転不足で3.50点の減点。次の4回転サルコウは2回転になって連続ジャンプにできず、最後のトリプルアクセルでは着氷を乱して手をついて、ミスを連発。65.14点で6位発進になった。

「4回転は練習で問題なく跳べている状態だったので、本当に悔しい。試合になると気持ちの振れ幅が大きくなってしまうのが失敗の要因と思いますが、どうしてもショートでは、気持ちも体も一歩踏み出せない状態になってしまう。このところはショートでミスをしてフリーで挽回するという形が続いているので、そこを何とかしなければいけない」

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