2019.11.03

羽生結弦を追いかける日本男子スケーターふたりが攻略したい「壁」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 羽生結弦と宇野昌磨を追いかける存在として、24歳の田中刑事がスケートカナダで3位と結果を出すなか、それを追いかける若手で誰が頭角を現してくるか。それが注目ポイントのひとつでもあるフィギュアスケート西日本選手権が開幕。

 初日の男子ショートプログラム(SP)は、各選手がミスをする展開となった。トップに立ったのは、山本草太。今季は、10月のフィンランディアトロフィーのSPで4回転サルコウ+2回転トーループと4回転トーループ、トリプルアクセルをすべて決め、宇野をわずかに上回る92.81点でトップに立って復活を印象づけていた。

西日本選手権SPで首位の山本草太 そのフィンランディアのフリーでは、ジャンプで転倒を繰り返して宇野に逆転を許したこともあって、「フリーの練習に力を入れてきた」と言う山本。大会前にはジャンプの調子が落ちてきていることも感じていたというが、それはケガが治って、体を存分に動かせるようになってきたからこその悩みでもあった。

「去年までは練習でもジャンプを制限して1日に1回だったりしましたが、それだと一つひとつに集中して跳んでいたので、体の調子の良し悪しまではわからなかった。でも今シーズンはかなり練習量を増やしているので、その日の調子の良し悪しがわかるようになり、それに影響されるようにもなってきています」

 そう自己分析した山本は、6分間練習では4回転サルコウと4回転トーループ、トリプルアクセルを何度かミスしながらも、最後には何とか決めて、慎重にジャンプと向き合っていた。

 本番では、最初の4回転サルコウは回転不足で片手をつきながらも、2回転トーループを付けて連続ジャンプにすると、6分間練習では尻の下がる着氷になっていた4回転トーループはしっかり降りて2.28点の加点をもらう出来。だが、最後のジャンプのトリプルアクセルでミスをしてしまい、1位発進となったものの75.05点にとどまった。