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髙橋大輔の芯が見えたアイスダンス挑戦。
たどり着いた一つの境地 (3ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「(初めて髙橋がアイスダンスをして)楽しい、難しい、どっちに転ぶかだと思ったんですが。『楽しい』っていう一言が聞けたのがうれしかったですね。難しい、だけだったら、どうかなって思っていたので。(髙橋)大ちゃんの『楽しい』という言葉が、すごく印象に残っています」

アイスダンスのカップル結成を発表した、髙橋大輔(右)と村元哉中(左) photo by kyodo newsアイスダンスのカップル結成を発表した、髙橋大輔(右)と村元哉中(左) photo by kyodo news 明朗闊達に、スケートを楽しめる。それが髙橋だ。

 最近の髙橋は、ダンスそのものへの興味も深めていた。今シーズン、シングルのショート曲に選んだのも、ロックナンバー「The Phoenix」。アップテンポで、激しく踊りまくる。振り付けは、ビヨンセのコレオグラファーとして知られるシェリル・ムラカミだ。

「想像以上に激しくて、いい意味で後悔しています」

 髙橋はそう言って苦笑いだったが、悲観的ではなかった。最近したインタビューで、彼はこうも洩らしていた。

「スケートは"表現"するというより"ダンス"というか、"音を表現すること"だなと感じています」

 それはたどり着いた一つの境地と言えるだろう。『氷艶』という舞台も経験し、表現者として見えた風景があった。音そのものを表現したい衝動にかられた。その点、調和することで音に命を与えられるアイスダンスに挑むことは、必然だったかもしれない。

「(この機会にアイスダンスを)知ってくださる方が増えればいいなぁと思っています」

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