2019.10.07

トゥルソワの4回転を見た紀平梨花の
決意。「北京五輪では必ず跳ぶ」

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 3地域対抗戦のジャパンオープンがフリーのみで行なわれ、2連覇を狙った日本はチーム総合で2位に終わった。活躍が目立ったロシア女子を擁する欧州が2年ぶりの優勝を果たした。

ジャパンオープンで3位となった紀平梨花 昨季グランプリ(GP)ファイナル女王の紀平梨花は、ジャンプの難易度を落とした構成で144.76点(参考記録)の3位に終わった。自己ベスト154.72点を約10点も下回ったが、致し方ない事情があった。

 シニア2年目の紀平は、シーズンイン直前の9月初旬に左足首をひねってしまった。万全の状態ではないながら、シーズン初戦のオータム・クラシックで優勝したものの、ケガの影響は1カ月後のジャパンオープンまで引きずっていたという。

「ジャンプ練習の制限が掛かっていて、(1日)1時間しか練習ができていなかったし、3回転ルッツも跳んでいないです」

 そんな状況では、「挑戦したい」と言っていた大技4回転サルコウをプログラムに組み込むことは無理があったのだろう。前日練習では1度も4回転サルコウを跳ばず、本番当日朝の練習では「跳んでみたんですけど、思ったよりもうまく着氷することが難しかった」と、回避を決めた。

 演技後の会見に現れた紀平の左足首にはアイシングが施してあった。

 ジャパンオープンでの紀平は、本調子ではないなかで、安定感を誇ってきたトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に気持ちを集中させて、いまできる最善を尽くしてミスのない演技を目指した。

 この日は、冒頭の3回転サルコウを跳んだあと、やや着氷でバランスを崩したものの、単発のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を跳んで波に乗った。プログラム後半ではトリプルアクセル+2回転トーループや3回転フリップ+3回転トーループ、2回転アクセルからの3連続ジャンプを成功させた。最後の3回転ループでは着氷が詰まって前のめりになるミスを出したが、故障を抱えるなかでの演技としては及第点の出来だったのではないか。

「今回の演技ではトリプルアクセルの位置を変えて、きれいに決めることができてよかったんですけど、(最後の)3回転ループはあまりよくないミスだったので、次の試合からは完全に克服できるようにしたいです」