トゥルソワの4回転を見た紀平梨花の決意。「北京五輪では必ず跳ぶ」 (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 今季のフリーのプログラムは世界平和をテーマにした『インターナショナル・エンジェル・オブ・ピース』。ターコイズブルーの衣装にはゴージャスな金の装飾がついており、髪の毛をまとめるシュシュも金色と、華やかさが際立った。

「衣装のイメージは、(振付師のトム・ディクソン氏から)『天使の役を演じなさい』と言われたので、それを連想させる衣装で、カッコいい衣装にしたいと思い、すべての場面で天使の役になりきるように作りました」

 昨季は鮮烈なシニアデビューを飾った17歳の今季GP初戦は、10月下旬のスケートカナダとなる。まだ滑りこなすところまではいってない壮大なプログラムをどこまでブラッシュアップしてくるか。スケーターの生命線である足首のケガをしっかり治すことがまずは先決となる。

「(次戦では)トリプルアクセルを2本決めるのはもちろんで、他のジャンプもミスなく跳ぶこと。そして、今回ダブルアクセル(からの3連続ジャンプ)を跳んだところを3回転ルッツにしたジャンプ構成にして、どの試合でも安定した高得点を出せるようにして、今季は自己ベストをいくつか出せるようにしたいと思っています。

 4回転サルコウは今後、必要になってくると思うので、しっかりシーズン中に跳べるように練習しつつ、他のジャンプをミスなく跳び、あとはいかに1点1点を高く出せるか構成を考え、しっかりケガを治して、どの試合でも安定したいい成績を出せるようにしていきたいです」

 ジャパンオープンでは、ジュニア時代に対戦した4回転ジャンパーのアレクサンドラ・トゥルソワ(ロシア)が、4回転のルッツ、サルコウ、トーループの3種類4本の大技を連発。その圧巻の演技と160.53点という驚異の高得点を目の前で突きつけられた格好となった。紀平はしっかりとその結果を受け止めていた。

「4回転はもっともっと練習していかないといけない。その前にやっぱりまずケガを治して、どんな挑戦でもできるように、練習で全力を出せるように、しっかりコンディションを整えて、北京五輪では必ず4回転ジャンプを跳べるように練習をしていかないといけないなと思っています」

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