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四大陸選手権で完勝の宮原知子。無冠返上で次なる目標、ロシア勢に迫る (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 昨年12月にスペイン・バルセロナであったグランプリ(GP)ファイナル後、フラメンコの本場でプロダンサーから直接指導を受ける機会に恵まれたという。その本場仕込みのフラメンコがコンセプトのSP『ファイアーダンス』では、さらに磨きをかけた演技で見る者の琴線に振れるパーフェクトなパフォーマンスが際立った。スピンやステップで高評価を受け、GOE加点で1点以上を出したほか、演技構成点は40点に近い39.88点をマーク。SPでは初めて大台の70点を超える出来で、首位発進となった。

 実は、調子の良さと今回の戦いに手応えを感じ、少し緊張感が失われていたフリー前日の公式練習ではピリっとせず、濱田美栄コーチから檄を飛ばされという。「変に落ち着いていたので、緊張感を出すように気持ちを締めました」(濱田コーチ)と、あえて宮原を追い込んだ。

 それが功を奏したのか、濱田コーチから「丁寧に滑らず、大きく思い切って滑りなさい」と言って送り出されたフリーでもノーミス演技を披露。ミスを出していた他選手を圧倒する演技を見せた。142.43点の高得点は、2014年ソチ五輪で記憶に残る演技をした浅田真央がたたき出した自己ベスト142.71点に迫る得点だった。

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