四大陸選手権4位。宇野昌磨が見つめ直した自身の課題

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

四大陸選手権で4位と表彰台を逃した宇野昌磨四大陸選手権で4位と表彰台を逃した宇野昌磨  2月21日の四大陸選手権最終日。男子フリーが終わった後の宇野昌磨は、すっきりした表情でこう話した。

「4回転トーループは、最後まで修正できずに回り過ぎてしまいました。ショートと同じようにフリーも回り過ぎから始まって......。その失敗はしかたがないとしても、問題は2本目ですね。『2回転トーループをつけなければ』という意識で、少し思い切りが足りなかった。それで少しタイミングが遅れて、軸が左に斜めになったことが失敗の原因だと思います」

 ショートプログラム(SP)2位の宇野は、フリーで逆転を狙い、5・46点差の首位ボーヤン・ジン(中国)を追った。19番滑走の宇野は、冒頭の4回転トーループで着氷できずに予定していた連続ジャンプをつけられず、その後のトリプルアクセルからの連続ジャンプはきれいに決めたものの、後半最初の4回転トーループで回りきれず膝をついてしまう着氷になってダウングレードとなった。

 演技全体を見れば、見せ場であるステップで少しおとなしい印象になり、これまでの攻めの意識がやや希薄になったともいえた。

 結局、フリーの得点は自己ベストより13点以上低い176・82点。合計268・81点でこの時点ではトップに立ったが、宇野の後に滑るパトリック・チャンやボーヤンらの力を考えると「初優勝は遠のいた」と考えるしかない結果だった。

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