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【ボクシング】ルイス・ネリ、田口良一が語る井上尚弥vs.中谷潤人 勝敗予想はふたつに分かれた (3ページ目)

  • 林壮一●取材・文 text & photo by Soichi Hayashi Sr.

「"新境地"という表現が適切かどうかわかりませんが、井上くんはテーマを持って戦いました。アウトボクシングに徹するというスタイルは、もともとできたはずですが、ずっとやっていなかった。アフマダリエフ戦では、『いつもだったら仕留めているのに、行かないな』と何度も感じました。必ずチャンスに仕留めていましたが、あえてラッシュをしない策を選んだんですね。

 2024年5月のネリ戦、今年5月のラモン・カルデナス(アメリカ/30歳)戦でダウンを喫した井上くんを『ピークを過ぎた』と言う人がいましたから、『そうじゃない。違った自分を見せてやる!』という気持ちの表われだったように見えました」

 試合前、アフマダリエフはハードパンチャーだと伝えられていた。

「警戒したんでしょう。とはいえ、自分は井上くんの圧巻の勝利だと感じました。予想以上に挑戦者をボコボコにしましたよ。しかも、打ち急がずにテクニックを見せつけたわけですから、アフマダリエフはノックアウト負けよりもはるかに落ち込んだでしょう。何をやっても井上くんが上でしたから。心が折れ、リングで絶望感を覚えていたと思います。万全の準備をした井上くんの捌き方に、目を奪われました」

【直接対決の予想は「井上くんが有利かな。でも......」】

 アフマダリエフは中谷と同じサウスポーである。だが、田口の目には、9月のモンスターが"仮想・中谷"として防衛戦をこなした側面は、まるで無いように映った。

「中谷くんとアフマダリエフはスタイルが違うので、"試す"という内容ではありませんでした。井上くんも、中谷くんが6月にIBFタイトルを奪った統一戦は見たはずですし、お互いに一瞬の油断もできないことを把握しているでしょう」

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