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アイドル時代には届かなかった「センター」の座を掴んだスターダム上谷沙弥 「神様はいるんだね......」 (3ページ目)

  • 大楽聡詞●取材・文 text by Dairaku Satoshi

【プロレスの世界で掴んだ"センター"の座】

――2020年には、林下詩美選手が持つ「フューチャー・オブ・スターダム」の王座に挑戦して敗れますが、そのあとに林下選手も所属していたQueen's Quest(クイーンズ・クエスト)に加入します。ユニットでの経験はいかがでしたか?

上谷:林下詩美は、私が理想とするレスラー像の原点みたいな人。初めてスターダムで憧れた選手で、元タッグパートナーでもある。Queen's Questはクールでかっこいいユニットだったし、加入が決まった瞬間は「この人の下で成長していくんだ」と心に決めたよ。

――2020年7月、林下選手とともに「ゴッデス・オブ・スターダム(タッグ王座)」を獲得。デビューから1年足らずの初タイトル戴冠でしたが、手応えはどうでしたか?

上谷:正直、"勝たせてもらった"という感覚が強かった。試合のなかでは何もできなかったけど、強い気持ちは持っておこうと思ったし、試合後のマイクで「誰がなんと言おうと、私が未来のスターダムだ!」って叫んだことをすごく覚えているよ。

――2021年には、太田プロを退社していますね。

上谷:続けていくうちにどんどんプロレスにハマっていって、ベルトを巻いたことで自信もついたし、「よし、プロレス1本でいく!」となって。アイドルへの未練もなくなったし、思い切ってやめたんだ。

――2021年6月には、シンデレラ・トーナメントで優勝します。

上谷:シンデレラ・トーナメントでの優勝は、「プロレス1本で頑張る」と決めた気持ちが形になったと思ってる。いい思い、悪い思い、いろんな挫折もあったけど、アイドルではセンターを取れなかった。でも、プロレスではセンターになれた。「諦めずに続けていれば、必ず見ていてくれる人がいるんだ」と、心の底からうれしかった。神様はいるんだね......。柄にもないかもしれないけど。

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