【箱根駅伝2026】予選会2位の順天堂大 シード権獲得に向けて「底上げができている」と視界良好
「それぞれが上(上位)で戦っていたと思いますし、狙ったとおりに今の力は出しきれたと思います」
10月18日に行なわれた第102回箱根駅伝予選会で、中央学院大に続き、2位に入った順天堂大の長門俊介監督は、こうレースを振り返った。
チームトップの走りをした吉岡大翔(3年)photo by Nikkan Sports/AFLO スタート30分前の午前8時の段階では、気温が16.3℃と秋らしさも感じられたが、陽が差してくるとやはりまだ暑いなかでのレースが予想された。
「(レースを走る12人中)うしろの5人に関しては、涼しければ(5km)15分00秒くらいのペースで、周りの様子を見ながら判断しようと話しましたが、結果的には15分15秒ぐらいで走ったかなと思います。残りの7名に関してはある程度、力もついていたので『自分たちの感覚を大事にしなさい』ということで、あまり細かい指示を出さずに行かせました」(長門監督)
【前回シード権を逃した11位が力に】
前回の箱根駅伝では、予選会10位通過ながら往路で一時8位に立つ好走を見せた。しかし、最終10区のシード権争いで敗れ、10位の帝京大に7秒差の11位でシード権を逃した。長門監督は、その悔しさとシード権が見えていた自信が今のチームを作っていると語る。
「選手たちはそれから悔しさを持って取り組んでいたと思いますが、一方で『やれる』という実感も持ってくれていたと思う。前を向いてスタートできたのが今のチーム(の形)になってきている要因。
夏合宿もそれぞれがしっかりと、ベースとなるジョグのボリュームを増やしたなかで、練習を積めていました。夏の暑いなかで取り組んだので質が高まったというか、しぶとい走りができるようになったと思っています」
今回、チームトップの1時間02分34秒で全体26位に入った吉岡大翔(3年)もまた、前回の箱根駅伝についてこう振り返る。
「悔しさもありましたけど、もしシード権が獲れていたら、『予選会10位でもシード権が獲れるんだ』という甘い考えが生まれたかなと思います。正直、獲れなかったからこそチームとして変われたところがあると思っています」
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著者プロフィール
折山淑美 (おりやま・としみ)
スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

