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ケンコバが興奮した超豪華メンバーの「第1回G1クライマックス」 長州力の全敗と闘魂三銃士の飛躍は「驚きの展開」 (2ページ目)

  • 松岡健治●取材・文 text by Matsuoka Kenji

【ケンコバの優勝予想は長州だったが......】

――競馬の重賞レース「G1」から拝借したという大会名も、これまでのプロレス界にはない新鮮な響きがありました。

「大会名の由来については諸説あって、ケロちゃん(田中秀和リングアナウンサー)が命名した、という説もありますね。ただ、これは俺のかすかな記憶なんですけど......当時、社長だった坂口征二さんが競馬にハマりすぎて『ウチもG1やろう。重賞レースやろうよ』みたいなノリで『G1』って決まったような気がするんです」

――そういったところも含めて、深堀りのしがいがありますね。

「日程、大会名も斬新でしたが、やはりすごかったのはメンバーです。2ブロック制の総当たりで、Aブロックが藤波辰爾、武藤敬司、スコット・ノートン、ビッグバン・ベイダー。Bブロックが長州力、クラッシャー・バンバン・ビガロ、橋本真也、蝶野正洋。あらためて名前を挙げてもワクワクする、まさに選ばれた8人でした」

――おっしゃる通りです! 優勝者は誰だと予想していましたか?

「俺は長州さんだと思っていました。なぜなら闘魂三銃士は、それまでの戦績では外国人の壁を越えていなかったからです。当時の新日で絶対的な存在はベイダーでした。三銃士のなかでは、橋本さんがリングアウトで勝ったことはありましたが、上回った印象ではなかったですからね。

 しかもほかの外国人選手も、ノートン、ビガロというすさまじいパワーを持つ"恐竜"たちでしたから、三銃士は勝てないだろうと。そうなると、ベイダーにフォール勝ちしたことがある長州さんが本命で、藤波さんが対抗かなと予想していました」

――ところが、いきなり大番狂わせが起こりましたね。

「そうですね。開幕戦の名古屋で、長州さんが蝶野さんのSTFでギブアップ負け。しかも、両国ではビガロ、橋本さんにも負けて、まさかまさかの全敗を喫したんです。優勝を予想していた俺にとっては驚きの展開ですよ。そしてこの時、あらためてビガロを実力者と認識しましたね」

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