【新連載】ウナギ・サヤカはWWE帰りの里村明衣子の引退会見に「マジかよ!」 即ワンマッチを決断し、リング上で愛を感じた (6ページ目)
――ダンプ松本さんが吉田豪さんのインタビュー(『吉田豪の"最狂"全女伝説』白夜書房)で、「試合前、『リングの上で殺しても刑務所に入らないんですよね?』っていつも確認していた」とおっしゃっていたのを思い出します。
ウナギ:こわっ! でもその4人も、殺されるような思いをしてきたんだろうな。
――里村選手と対戦してみて、どうでしたか?
ウナギ:そんなエグく蹴らなくても、ちゃんと食らってるよって......。そこに切り込んでくる力とか、最初に組んだ時からめっちゃ力強くて、ハンパないなと思ったけど、愛を感じましたね。
――どういうところで、愛を感じた?
ウナギ:スコーピオライジング(里村の必殺技)で終わらなくても、たぶん終われたんですよ。デスバレー(ボム)で2回投げられた時点で、もう私は返せるかわからないくらいの状態だった。もう1回デスバレーで投げられたら、たぶん私は負けたんです。でもやっぱり、あそこでスコーピオライジングを出してくれたのは、懐の深さですよね。
フィニッシュ(ホールド)って、あのクラスの人たちは出してくれないんですよ。今回の(引退ロードの)シングルで、スコーピオライジングで終わっていない人もけっこういるんですけど、私にそれを出してくれたのは愛を感じました。
――里村選手のマイクも感動的でしたね。「(引退後も)ウナギの夢を一緒に見たい」って。
ウナギ:私も「言いたいことはここで伝えよう」と思ってたけど、それ以上のもので返してくれた。だから、やっぱり里村明衣子が正解だったんだなって。ワンマッチの対戦相手として、里村明衣子しかいなかった。
(後編>>)
【プロフィール】
■ウナギ・サヤカ
1986年9月2日、大阪府生まれ。2019年1月4日、東京女子プロレス後楽園ホール大会にて「うなぎひまわり」としてデビュー。2020年11月、スターダムに初参戦。コズミック・エンジェルズを結成し、12月、アーティスト・オブ・スターダム王座を戴冠。2021年7月、フューチャー・オブ・スターダム王座を戴冠。2022年10月よりフリーになり、"ギャン期"と称して他団体に参戦。2023年10月、KITSUNE世界王座の初代王者、2024年1月6日、JTO GIRLS王者、1月7日、アイアンマンヘビーメタル級王者となり、三冠王となる。2024年1月、9月、後楽園ホールにて2度の自主興行を開催。168cm、54kg。X:@unapi0902
著者プロフィール
尾崎ムギ子 (おざき・むぎこ)
1982年4月11日、東京都生まれ。上智大学外国語学部英語学科卒業後、リクルートメディアコミュニケーションズに入社。求人広告制作に携わり、2008年にフリーライターとなる。プロレスの記事を中心に執筆し、著書に『最強レスラー数珠つなぎ』『女の答えはリングにある』(共にイースト・プレス刊)がある。
【写真】 ウナギ・サヤカ フォトギャラリー
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