長州力から「お前にトップ記事をやるよ」元東スポの柴田惣一が語るレスラーの結婚スクープ裏話 (4ページ目)
――連載の第1回でお聞きしましたが、三沢光晴さんの結婚をスクープしたのも柴田さんでしたね。
柴田:あの時も、周囲の人たちがチラチラ情報をくれたんです。僕は普段から会場に一番乗りして、あらゆる人とコミュニケーションを取ってましたから。今は亡き仲田龍リングアナから、「柴田クンは『何か面白いことない?』が口グセだよね」と苦笑いされたことがありましたが、いつも"単独取材"を心がけていました。
長州さんに「お前、うざいな、コラ!」と怒られたことも、1度や2度じゃありませんでしたよ。そういえば馬場さんにも、僕の結婚式に出席いただいた時、「柴田クンは『アッチ行け』と言っても、ニコニコして離れないんだ」という祝辞をいただきました。ほかには出ていない話を聞くためには、とにかく取材対象者のそばにいなくちゃいけないし、時には嫌な顔をされるのも覚悟の上です。
――精神的なタフさが必要ですね。
柴田:とにかく、諦めず食い下がる姿勢が大事。でも、踏み込みすぎたかなと思ったら少し下がる。そして、そこで止まらずにまた進む。そうすれば、歩みは遅くても着実に一歩ずつでも進んでいけます。
何度も顔を合わせ、プロレスに関係ない世間話もしていけば、親近感も湧いてきますよね。そこからスクープにつながることも多かった。言ってみれば「仕事の付き合い」ですけど、僕はレスラーとマスコミというだけでなく、人と人として付き合ってきたつもりです。人間関係は難しく、一番大事なことでもあります。みなさんも熱意をもってアタックすれば、必ず相手はそれに応えてくれる。とくに猪木さんはそうでしたね。
(連載5:『極悪女王』で話題の全日本女子プロレスはすべてが「規格外」だった 人気とその裏側>>)
【プロフィール】
柴田惣一(しばた・そういち)
1958年、愛知県岡崎市出身。学習院大学法学部卒業後、1982年に東京スポーツ新聞社に入社。以降プロレス取材に携わり、第二運動部長、東スポWEB編集長などを歴任。2015年に退社後は、ウェブサイト『プロレスTIME』『プロレスTODAY』の編集長に就任。現在はプロレス解説者として『夕刊フジ』などで連載中。テレビ朝日『ワールドプロレスリング』で四半世紀を超えて解説を務める。ネクタイ評論家としても知られる。カツラ疑惑があり、自ら「大人のファンタジー」として話題を振りまいている。
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