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「神の左」山中慎介が見た那須川天心 KOできない理由、目指すべきボクサー、武居由樹との違いについても語った (5ページ目)

  • 篠﨑貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

【天心の適正体重は?】

――天心選手は今後、日本王者、東洋太平洋のタイトルから、世界の頂点を狙う形になるでしょうか?

「通常であればその流れになるでしょうが、天心は期待のホープですからね。海外で試合をするプランもあるようですし、別の道を辿る可能性もあると思います」

――天心選手は、現在スーパーバンタム級で戦っていますが、将来的にバンタム級に落とす可能性はあるでしょうか?

「天心の日頃の体重やコンディションがわからないので一概には言えませんが、体格を考えるとバンタム級のほうが適している可能性は高いと感じます」

――初戦も2戦目の相手も、ひとつ下のバンタム級の選手でした。今後、階級を下げることも見越したマッチメイクかもしれませんね。

「デビューする時も、天心はバンタム級が適正階級かもしれないと思ってはいました。キックボクシングの経験がありますから、下半身がしっかりしていましたよね。最近は少しシャープになってきたように思います。スーパーバンタムとバンタム、どちらの階級か見極めながら闘っていくことになるのではないでしょうか」

――いずれにしても、これからが楽しみでしかないですね。

「いろんなタイプの相手との試合を見たいです。今後、『これはヤバい』という相手に、キャリアにおいての"勝負どころ"となる試合に直面することもあるはず。その時にどんな闘いを見せ、そして乗り越えてくれるのか。それを期待したいですね」

【プロフィール】
■山中慎介(やまなか・しんすけ)

1982年滋賀県生まれ。元WBC世界バンタム級チャンピオンの辰吉丈一郎氏が巻いていたベルトに憧れ、南京都高校(現・京都廣学館高校)でボクシングを始める。専修大学卒業後、2006年プロデビュー。2010年第65代日本バンタム級、2011年第29代WBC世界バンタム級の王座を獲得。「神の左」と称されるフィニッシュブローの左ストレートを武器に、日本歴代2位の12度の防衛を果たし、2018年に引退。現在、ボクシング解説者として、またアスリートタレントとして各種メディアで活躍。プロ戦績:31戦27勝(19KO)2敗2分。

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