ヒョードルとも闘った髙阪剛が『RIZIN』に鳴らす警鐘 「日本の選手にとってマズい状況になる」 (4ページ目)
【「日本人選手にとってマズい状況になる」】
――RIZINはルールも独自で、ユニファイド・ルールで禁止されている、グラウンド状態においての頭部へのサッカーボールキックや、4点ポジションでの頭部への膝蹴り、縦肘などがアリという点も違いますね。
「それも、どちらかというと組みが強い選手が有利なルールだと思います。だからRIZINは、組み技が得意な選手に向いているリングとルールを採用している、と言っていいと思います。
そうなると、日本の選手にとってマズい状況になるんじゃないかと。海外から組み技が強い選手がバンバン入ってきたら、先ほども言ったように根本的なフィジカル差を埋められないわけですから、こちら側の意識を変えるしかなくなってきます」
――RIZINのリングに、レスリングの能力やテイクダウン能力が高い外国人選手が増えると、日本人選手にとっては厳しい状況になるということですか?
「そうですね。特にレスリングのバックボーンがあって、早くからUFCを目指している選手たちは技術が洗練されています。それでいて打撃もできて、タックルディフェンスも得意。さらに、強いフィジカルをうまく生かした攻撃でテンポを変える技術も心得ています。
そういった選手は今後も増えると思いますよ。UFCではダゲスタン出身の選手ように、さらに圧倒的なフィジカルの強さを誇る選手も参戦している。世界トップの戦いはとんでもないレベルになっています」
(後編:日本の総合格闘技が世界と「競り合える日は近い」と考える理由>>)
【プロフィール】
■髙阪剛(こうさか・つよし)
学生時代は柔道で実績を残し、リングスに入団。リングスでの活躍を機にアメリカに活動の拠点を移し、UFCに参戦を果たす。リングス活動休止後はDEEP、パンクラス、PRIDE、RIZINで世界の強豪たちと鎬を削ってきた。格闘技界随一の理論派として知られ、現役時代から解説・テレビ出演など様々なメディアでも活躍。丁寧な指導と技術・知識量に定評があり、多くのファイターたちを指導してきた。またその活動の幅は格闘技の枠を超え、2006年から東京糸井重里事務所にて体操・ストレッチの指導を行っている。2012年からはラグビー日本代表のスポットコーチに就任。
◆Twitter:@TK_NHB>>
◆総合格闘技道場 ALLIANCE(アライアンス)>>
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