ケンコバが憤ったグレート・ムタの「黒歴史」 無理やり化身対決にされた越中詩郎は「犠牲者です!」 (4ページ目)

  • 松岡健治●文 text by Matsuoka Kenji
  • 山内猛●撮影 photo by Yamauchi Takeshi

――ムタ、越中さん双方にとっての「黒歴史」ですね。

「あの試合以降、もしかしたら武藤さんと越中さんの間には、『顔を合わせたくない』という空気ができてしまったのかもしれません。あの2人がシングルで戦った試合は、武藤さんが優勝した1995年のG1クライマックスなどもあるんですが、かなり少ないんです。『グレート・ムタvsサムライ・シロー』は、我々ファンも含め、関わった人たち全員にとって消したい過去になっているかもしれません。

 ムタの歴史は『大コケ』から始まったという事実に、今年2月の武藤敬司の引退試合に集まったお客さんの何人が気づいていたのか......。ムタはその後、稀代のスーパースターになっていきましたが、その陰に"犠牲者"となった越中さんがいたということを、これを機に多くのファンに知ってもらいたいです」

――最悪のスタートから、ムタはよく巻き返しましたね。

「このサムライ・シロー戦の失敗を、見事に生かした男がいたんですよ。その名は、馳浩です」

(中編:ムタの日本デビュー戦の失敗に、馳浩は「俺が盛り上げてやる」 大流血の死闘を締めた「担架へのムーンサルト」>>)

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