「日本で1番の格闘技団体にしたい」。堀口恭司が明かす新団体の構想と「一緒に練習しながら」の選手育成 (3ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 田中亘●撮影photo by Tanaka Wataru

【Bellator、UFCなどへの思い】

――堀口選手が、かつて山本"KID"徳郁さんに憧れて弟子入りしたように、堀口選手のところにも弟子入り志願者が来そうですね。

「どうなんですかね。これまでも、あんまり来てないですから(笑)」

――仮に、「アメリカまで行くのでお願いします!」という人がいたら?

「ATTのオーナーとかにも話を通さないといけないですけど、基本的には歓迎します。ただ、強い覚悟を持っている人じゃないと紹介はできない。すべてを捨てても格闘技で成功したいと思っている人はなかなかいないと思うんですよ。それを見極めるのは大変そうですね」

――ATTの2階には、本来は短期間の集中トレーニングをする時に使う寮があると聞きました。堀口選手はそこに住み込みで練習をしていたとのことですが、それは特例だそうですね。

「そうっすね。ATTのオーナーからも『ずっと寮にいていいよ』と言われていたんですけど、2年前に一軒家を買いました。僕がずっと寮にいたら、若い選手たちに夢を持ってもらえないと思ったので(笑)」

――これまで堀口選手が残してきた結果だけでも、十分に夢を持たせられるでしょうけどね。王座返り咲きを目指すBellatorには、現在の階級であるフライ級がありません。そこはどう考えていますか?

「スコット(Bellatorのスコット・コーカー代表)と話したんですけど、今後、フライ級を作っていく話が出ていて。そこで戦っていけるといいですね」

――堀口選手は以前、UFCにも参戦していて戦績は8戦7勝1敗でした。もう一度UFCで戦うことも視野に入れていますか?

「それは、(ATTのヘッドコーチである)マイク・ブラウンやオーナーも、『恭司、UFCどうだ?』と言ってくれてはいます」

――UFCでの唯一の敗けは、デメトリアス・ジョンソンとのタイトルマッチだけです。

「やり返したい思いはあるんですけど、彼はもう団体が違うし難しいんですよ(デメトリアス・ジョンソンは現ONE Championshipフライ級王者)。僕も今はBellatorと契約しているし、フライ級ができたらそこで活躍する。UFCについては、その後にまた考えますよ」

【プロフィール】
堀口恭司(ほりぐち・きょうじ)

1990年10月12日生まれ、群馬県高崎市出身。5歳から空手を始め、高校卒業後に山本"KID"徳郁氏のジム「KRAZY BEE」に入門。2010年に修斗でプロデビューを果たし、2013年からUFCに参戦。2017年にRIZINと契約し、翌2018年12月にRIZINバンタム級、さらに2019年6月にBellatorバンタム級の王座を獲得。2大タイトル同時制覇を成し遂げた。2019年11月に負傷により両タイトルを返上。翌年12月の朝倉海戦で王座を奪還した。現在はRIZINとBellatorの両団体で活躍中。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る