ケンコバが蝶野正洋に「ヒールの本性」を感じた不穏試合。武藤敬司と組んだIWGPタッグ戦で掟破りのパンチ攻撃 (3ページ目)

  • 松岡健治●文 text by Matsuoka Kenji
  • 山内猛●撮影 photo by Yamauchi Takeshi

 それまでの蝶野さんは、俺から見ると正体がわからないというか、謎めいた人でした。『週刊プロレス』に、暴走族に入っていた高校時代の、モヒカンみたいな頭で横を向いてる写真が載ったことがあって。だけど、 "元暴走族"という肩書きのわりに、リング上ではクラシカルで正統派なレスリングを貫いていた。

 暴走族時代の写真を見てから、俺は『蝶野さんの本性はこれだ』と感じて、ヒールに転向してもらいたいという内容のファンレターを送ろうと思っていたくらいでした。そんな時に不穏試合でキレた蝶野さんを見て、『こういう人やねん! 蝶野正洋という男は!』ってばっちりイメージが重なったんです。蝶野さんがヒールとしてブレイクする萌芽(ほうが)を見つけた試合でした。

 ただ、この不穏試合には解明できていない謎があるんですよ」

(後編:闘魂三銃士と"馳健"のピリピリしたライバル関係>>)

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