皇治「成功する人は、ホンマに挑戦した人だけ」。金と知名度を手に入れて気づいた、バカにされても挑戦を続ける理由 (3ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

――将来、指導者になる考えは?

「金にならんから......ってのも冗談で(笑)、格闘技は"生き方そのもの"だから、教えられるものじゃないです。上に行くのは『絶対に成り上がる』『こいつには負けない』『死んでも倒れない』とか、そういう強い思いをもともと持ってる選手だけなんですよ。どの世界も一緒かもしれないですけど、それをどんなに説明しても、生き方が違う人には響かないと思うんです。

 どこにいても、強くなる選手は強くなる。だから俺が教える側になることはないです。でも、格闘技にはすごく感謝しているので、盛り上げるための行動はしていきたい。自分で大会を開いたり、そこで活きのいい若い選手がいたらプロに推薦したり。さまざまな形で貢献できたらいいですね」

――夢を叶えて、酸いも甘いも味わった。あらためて、皇治選手にとって格闘技はどんな存在ですか?

「うーん......格闘技は、俺の生き様ですね。格闘技がなかったら今の俺はない。何よりも沢山のファン、スポンサーに支えてもらっていることに、すごく感謝しているんです。『きれいごと』って言われるでしょうけど、大切なものがいっぱいあるから、それを守るための手段でもあるかもしれない。だから、『命をかけて戦わないとダメやな』って思うようになりました」

 インタビューを終えようとした時、皇治は「最後に」とこうつけ加えた。

「世の中の人に伝えたいのは、成功する人、金を持ってる人も、どの世界でもそれはホンマに挑戦した人だけということ。挑戦してる人間を笑うヤツ、アンチとかにはいろいろ言われますけど、俺は"幸せ税"を払ってると思ってます。何もやらないヤツからすると『無理だ』『バカだ』と言いやすい、困難な挑戦をする姿を見せてあげてるって感じですかね。

 この記事を読んでくれた人たちのなかにも、頑張っているのにシンドイことがたくさんある人もいると思うんですけど、全然気にせずに。挑戦できていることの"幸せ税"だと思って頑張ってもらいたいです。

 ちょっと真面目モード入りました。最後は、金八先生みたいなことを言って締めるのが俺の流儀なんで(笑)」

【プロフィール】
■皇治(こうじ)
1989年5月6日生まれ。大阪府出身。
日本拳法の師範であった父の影響を受け、4歳から始めた日本拳法、空手の大会でも好成績を残す。プロ転向後、初代HEATキックルールライト級王座、ISKA K-1ルール世界ライト級王座を獲得。2016年より主戦場をK-1に移して人気選手に。地元・大阪での2018年12月の大会では、メインイベントで武尊と壮絶な殴り合いを演じた。2020年7月、RIZIN参戦を発表した。

◆HEAT50回記念大会 大会情報
日時:5月7日(日)14:30開場(予定)/ 15:00開始(予定)
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◆YouTubeチャンネル
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(取材協力:TEAM ONE)

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