皇治「成功する人は、ホンマに挑戦した人だけ」。金と知名度を手に入れて気づいた、バカにされても挑戦を続ける理由 (2ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

――以前は、「5月がキックボクシングのラストマッチ」とも発言されていました。K-1参戦の前に皇治選手が出場していた『HEAT』の大会ですね。

「HEATのチャンピオンになってから、『ISKA』で世界のベルトを獲って、そこからK-1で活躍することができた。HEATにはすごく恩があるから、それを返したいと思っているし、しかも今回が50回の記念大会。RIZINの榊原(信行)CEOは他の団体の試合に出ることも禁止しないですし」

――それが、最後のキックボクシングの試合になる可能性もあると。

「できれば、そこから次に挑戦できたらいいなと思っていますけどね。これまでもですけど、やっぱり『新しいことに挑戦したい』って思いが強いので」

 今回のインタビューは『RIZIN.34』(3月20日)での梅野源治との再戦直前に行なったが、その試合に勝利後、皇治は6月の「THE MATCH 2022」での「キックボクシングのワンデートーナメント(60kg)」開催を提案。そこでも「武尊と天心にちょっとでも力になれるカードなら」と発言した。K-1、RISEの選手の名を挙げていたが、複数団体がミックスされたトーナメントも、皇治の「新しい挑戦」なのかもしれない。

――皇治選手はプロ格闘家として、子供の頃に描いていた夢をもう叶えているようにも思います。

「そうですね。小学生の頃の日記に書いた夢が、『有名になること』『K-1選手になって金を稼ぐ』ですから、それは成し遂げましたね。そのために、周囲の人に止められるくらい練習しました。三部練、四部練も当たり前でしたよ。

 でも、有名になって、金を持つようになってからは全然練習しなくなって。女の子とも遊ぶようになったし、ありのままに生きてきたんです。そりゃあ勘違いもしますよ。ちょっと名が売れたら、どこに行っても『皇治くん、皇治くん』ってもてはやされて、何でも許されるようになるわけですから。

 もともとは俺自身がそうなりたかったはずなんですけど、あれはRIZINに参戦する前後でしたかね、『この生き方は本当にカッコ悪い』と気づいたんです。そこから遊びも卒業して、また一生懸命に練習を始めました。今は昔みたいに、トレーナーに『もういいよ』って止められますし、ハングリーな部分を取り戻せたのかなと思います」

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