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RIZINの新時代を作る「朝倉兄弟」の
強さを髙田延彦が解き明かす (2ページ目)

  • 瀬川泰祐●取材・文 text by Segawa Taisuke

格闘技界を長らくけん引してきた高田延彦氏 photo by Tanaka Wataru格闘技界を長らくけん引してきた高田延彦氏 photo by Tanaka Wataru――"頭のよさ"も感じますね。

「でしょ? 彼が活躍すれば、世界中からフェザー級の強者が集まってきて、それがRIZINの価値向上につながる。"フェザー級の堀口恭司"になれるわけですよ。やっぱり適正体重で戦ったほうが、自分らしさを出せるし、リスクも少ないし、何より自分の価値が上がりますからね」

――対戦相手のジョン・マカパ選手は、BELLATORのトップ選手には敗北を喫しているものの、「立ってよし、寝てよし」の強豪だと思いますが。

「マカパの打撃はたしかに強い。でも粗削りで、ブンブン振り回してくるから、そう簡単にパンチが当たることはないと思うんです。だからステップワークして、様子を見てパンチを返していくことになるでしょう。ただ、マカパはグラップリングが非常に強いので、足腰・体幹の強い朝倉未来をグラウンドに引きずり込むことができるか、という点がポイントです。立っていたら朝倉未来が優勢。もしグラウンド勝負になっても、彼はしっかりマカパのことを研究しているはずなので、すべてさばいてスタンドに戻ることを想定していると思います。

 マカパは、BELLATORでは"中の上"の選手で、けっこう強いですよ。上に行けない理由は、チャンピオンクラスと戦っているから。つまり彼とやることによって、今の朝倉未来の、世界における位置がわかるということです」

――朝倉未来選手がどんな試合をしてくれるのか、非常に興味深いですね。

「この試合に勝利したら、名前が"太る"わけだからね。さっきも言いましたけど、『朝倉未来を倒せ』と世界の強い選手が集まってきて、RIZINのフェザー級はさらに盛り上がってくる。朝倉未来は何としてもマカパを倒して、自分の首を狙う人間が集まってくるような状況を作り出すことが大事ですね」

――今後のストーリーを大きく左右する重要な一戦ですね。では次に、この日のメインイベンターでもある、弟の朝倉海選手の強さをどう見ていますか?

「朝倉海の直近2試合を見ると、"様子を見る"ということがない。ゴングが鳴ってすぐに試合を決めに行っていますよね。それが彼の嗅覚だと思うんだけど、今年8月の堀口戦は60秒か70秒で終わっているし(1R1分8秒でKO勝利)、続く10月の佐々木憂流迦(うるか)戦も50秒くらいで勝っている(1R54秒レフリーストップ)。『ここだ』と思ったら一気に行く決断ができる選手で、相手は『えっ?』って驚いている間に終わっていた、という感じじゃないかな。

 朝倉海にはセオリーがないんですよ。終了までが短い試合も多いけど、スタミナがあるからフルラウンドだって戦える。とにかく、朝倉海とやるときは最初から最後まで油断ができないということです。隙があったらドドーンとくるからね」

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