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癒し系美アスリート山田美諭の野望
「東京五輪でテコンドーをメジャーに」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo MATSUO.K/AFLO SPORT

 そんな山田の可能性を、日本代表チームの古賀剛コーチはこう話す。

「山田の場合、ブランクの間にルールが変わったり、防具が変わったりしているので、そのあたりの調整ができたらガツンと(上に)行く選手だと思っています。初戦で戦ったベトナムの選手は、ワールドグランプリの一番高いレベルの大会で10位になっている選手。その選手に勝ったということもありますが、もともと世界で10番以内になれる力を持っている選手だと思っていました。フィジカルが強いので、工夫に工夫を重ねるというのではなく、正面から戦略を立てられるのも彼女の長所です」

 山田もまた、「今はまだ世界ランキングは低いけど、実際に世界の選手と試合をしているとそんなに低いとは思わない。この前のグランプリでリオ五輪の金メダリストとも試合をして負けましたが、接戦だったので、メダルを取ってもおかしくないところまでは来ていると思います」と、成長している実感を口にする。

 そんな彼女をバックアップする環境も、リオ五輪前に比べると格段によくなっている。大東文化大を卒業して城北信用金庫に入った16年4月は、リハビリ中だったこともあり、週3日の勤務だった。その後、競技に復帰してからは勤務を週1日に減らし、海外大会に出場するための支援もしてもらっている。多い時には1カ月の間に3大会ほど遠征もできている。

「海外の試合に多く出ることで、緊張もしなくなって試合慣れして、そのことが成長につながっていると思うし、強い選手と試合ができることで技術の幅も広くなってきている」と笑顔を見せる。

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