癒し系美アスリート山田美諭の野望「東京五輪でテコンドーをメジャーに」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo MATSUO.K/AFLO SPORT

 ところが、第3ラウンドに入って40秒でボディにパンチを受けて失点すると、1点は返したものの、3点を失い3-7に。残り時間は約1分。こうなるともう攻めるしかなくなった。

「点差が少し開いたところで、体から攻撃してしまうという私のいちばんダメな部分が出てしまった。脚や手だけを動かすのではなく、体全体を動かしてしまうので相手に攻撃がバレてしまい、カウンターを取られやすくなる。だから、自分もポイントは取れたけど、失点もしてしまい、点差が埋まらなかった」

 結局、11-14で敗れ、決勝進出はならなかった。

「今まで国際大会でメダルを取ったことがなくて、いつも5位止まりだったんです。メダルを取れたことは素直にうれしいけど、やっぱり負けだから『内容的にも絶対に勝てない相手ではなかった。もっと上に行きたかった』という気持ちもすごく大きかった。テコンドーは、アジアのレベルがいちばん高いので、この大会で今の自分がどのくらいの位置にいるかがよくわかった。それが収穫です」

 現在24歳の山田は、父親が空手道場を経営していたこともあって小学生の時から空手を始め、中学1年でテコンドーに転向した。その後は11年の全日本選手権46kg級で優勝すると、翌年からは49kg級で16年まで5連覇を達成している。その間の13年世界選手権ではベスト8、14年アジア大会では5位と力を伸ばした。

 だが、16年1月に行なわれたリオデジャネイロ五輪最終選考会で、右ひざの靭帯を損傷。約1年間のブランクを経て17年1月の全日本選手権優勝で復活し、再び世界を目指している。

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