癒し系美アスリート山田美諭の野望「東京五輪でテコンドーをメジャーに」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo MATSUO.K/AFLO SPORT

 アジア大会でテコンドーは目標にしていた2個のメダル獲得を達成した。ひとつ目は、男子57kg級の鈴木セルヒオの銅メダル。それに続いて、女子49kg級の山田美諭(みゆ/城北信用金庫)が銅メダルを獲得した。

自身、国際大会初のメダルを獲得した山田美諭自身、国際大会初のメダルを獲得した山田美諭 山田は初戦から最大の山場を迎えていた。対戦相手のキムトゥエン(ベトナム)は、1階級下の46kg級を主戦にする選手だが、今大会は東京五輪の実施と同じ49kg級が最軽量のため階級を上げてきていた選手。ただ、46kg級では2017年世界選手権で2位、49kg級でも17年グランプリファイナル3位など、実績のある優勝候補のひとりだった。

 だが、山田は第1ラウンドを3-3で滑り出すと、乱打戦になった第2ラウンドで一歩も引くことなく、35-27で勝利した。

 山田は勝因をこう語る。

「すごく攻撃をしてくる選手だということは前からわかっていたので、冷静に相手の動きを見て戦いました。体全体で大きく動くので、それを冷静に見てカウンターを取ることに集中できた」

 次の準々決勝では、スリランカの選手に32-8で圧勝。銅メダル以上を確定させると、「その時点で金メダルを目標にした」と、目標を高く持って準決勝のマンノポワ(ウズベキスタン)に臨んだ。

 相手は17歳。今年5月のアジア選手権46kg級3位で、勝てない相手ではなかった。だが、第1ラウンド開始7秒でボディに蹴りを受けて2点奪われたのが響いた。その後は互いのペナルティで1点ずつもらい、残り37秒でボディにパンチを入れて1点を取ったが第1ラウンドは2-3。第2ラウンドは両者ポイントなしだったが、山田は「第2ラウンドまでは自分のペースで冷静にいけた」と話す。

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