【ボクシング】西岡利晃「日本人も本場アメリカを目指さなければウソになる」 (3ページ目)
――リングに戻りたいと思いますか?
西岡 そう思う瞬間はあります。肉体面だけで言えば、できるでしょう。でも、リングに立とうと思ったら覚悟がいる。ボクサーは、本当に捨て身で練習して、それこそ「命をかけて」あそこに立っているわけです。だから、僕はもうリングには立てない。でも、そんな覚悟を必要とするからこそ、ボクシングは魅力あるスポーツだと思うんです。
――昨年の大晦日、内山高志選手(現WBA世界スーパーフェザー級王者)の試合も解説されていましたよね。
西岡 すごいいい勝ち方をしましたよね。隙がなくなってきました。しっかりしたテクニックと体力。ユリオルキス・ガンボア(現WBA世界スーパーフェザー級暫定王者)とやってほしいですね。『あいつらふたりがやんのか!』って考えるだけで楽しいです。それこそ、ビッグファイトです。
――ではいつか、西岡さんの実績を上回る日本人選手が出現したらどう思いますか?
西岡 出現して、結果も出したら、拍手します。
――嫉妬という気持ちなどは?
西岡 まったく。「そのやり方って、どうなん?」っていうやり方ではなく、王道を歩んで越えてくれたら、惜しみない拍手を贈ります。日本のボクシング界が盛り上がってほしいですし、盛り上げたい。ボクシングはスポーツですが、殴り合いです。その殴り合いを見て、感動できるんです。ボクサーがどんな思いでリングに立っているのかを知り、命がけで殴り合い、その結果ベルトを取った瞬間なんて、本当に感動できる。ボクシングって素晴らしいスポーツだなって。だから少しでも多くの人に、ボクシングの魅力を伝えたいなって思います。
photo by Sakuta Shoichi【profile】
西岡利晃(にしおか・としあき)
1976年7月25日生まれ、兵庫県加古川市出身。WBC世界スーパーバンタム級名誉王者。サウスポーのボクサーファイターで、愛称は「スピードキング」。身長168.5センチ。1994年12月プロデビュー、2012年11月引退。生涯成績:47戦39勝(24KO)5敗3分。
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