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【男子バレー】清水邦広が39歳でコートに立ち続ける理由 「怨敵」で「盟友」の福澤達哉と歩んだバレー人生を振り返る (4ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Yoshiyuki Komiya

【満身創痍でもバレーを続ける理由】

 しかし専門の医師チームのおかげもあって、清水は再起した。東京五輪では若手の石川、髙橋藍、西田有志に道を示し、ベスト8進出に尽力。2021年には福澤が引退を表明したが、彼は現役を続行している。

「根本的にバレーが好きなんですよ」

 清水は豪快に笑う。

「年を重ねて、ケガも抱えてますし、昔のようにジャンプはできない。でも、『どうしたらいいか』って考えるのが楽しくて、『やーめた』ができないんです(苦笑)。進化し続ける日本バレー界にいられるのは面白いし、SVリーグにも『挑戦したい』という気持ちが勝ちました。今シーズンは、選手とコーチの比重が半々になっていますけどね」

 バレーのため、清水はどんな犠牲も払ってきた。膝だけで9回もメスを入れ、人工関節が必要な1から4段階で、3の段階だという。膝はすぐに腫れ、正座はできず、階段を降りるのもひと苦労だ。

 そんな清水に、最後に質問を投げた。

――タイムマシンで小学4年生の邦広くんに会ったら何を伝えますか?
 
「『バレーボールは楽しいぞ』って。それだけです。今もやり続けているのは、楽しくてしょうがないから。握手して、それを言いたいです」

 清水は胸を張った。

(後編:清水邦広が選んだベストメンバーは、影山飛雄と宮侑のツーセッター 監督目線で欲しい選手は?>>)

【プロフィール】

清水邦広(しみず・くにひろ)

所属:大阪ブルテオン

1986年8月11日生まれ、福井県出身。身長192cm、オポジット。福井工大福井高校時代に春高バレーに出場するなど活躍。東海大学在学中の2007年に日本代表に選出され、翌年の北京五輪に出場した。2009年にパナソニックパンサーズ(現・大阪ブルテオン)に入団後、多くの個人タイトルを獲得するなど、チームを何度も優勝に導いてきた。2021年には東京五輪に出場し、日本代表のベスト8進出に貢献した。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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