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【男子バレー】日本代表&大阪ブルテオン所属の大学生・甲斐優斗が最後の全日本インカレで見せた「本来の姿」 (2ページ目)

  • 米虫紀子●取材・文 text by Noriko Yonemushi

【専修大の主将とエースとしての重責を背負って】

「本当に各国のトッププレーヤーが集まっているチームですから。最初は自信なくプレーしていたんですけど、プレーを重ねていくうちに、通用する部分もあるんだな、と。スパイクはそれなりに決まっていましたし、サーブも効果的に打てていたと思うので、そこはよかった。もっと自信を持っていいのかなと思いました」

 数多く国際舞台を経験した2025年は自身にとってどんな年だったかと訊くと、こんな答えが返ってきた。

「本当に休む暇なくやっていたなかで、できるだけ自分がやりたいように......。今回は大学の試合(全日本インカレ)に出ることが一番、自分の中で優先順位が高かったので、そこで思いきってできたのはよかったのかなと」

 大学2年の頃から、夏場は日本代表、冬場はフランスリーグのパリ・バレーやSVリーグのブルテオンでプレーしてきたため、大学で過ごす時間はわずかだった。それでも専修大の主将として、エースとして、最後の全日本インカレにかける思いは強かった。今年度は甲斐の不在に加え、アウトサイドの堀内大志の怪我なども重なり、春、秋の関東大学リーグで専修大は苦戦。2部との入替戦には甲斐も出場したが、秋は降格を阻止できなかった。

「そこから、より『全カレで』という気持ちが強くなっていたので、その全カレで最終日まで残って試合ができたのはすごくよかったと思います」と振り返った。

 もちろん日本代表やブルテオンで経験する試合に比べれば、大学の試合のレベルは劣る。だがキャプテンとして、エースとして責任を背負い、リーダーシップを発揮してチームを勝利に導いたり、敗れてもチームメイトに寄り添って声をかけたり、前を向かせたりした経験は、甲斐にとってかけがえのないものになった。

 大会連覇を目指す専修大に対し、相手は打倒・専修、打倒・甲斐優斗と意気込んで向かってくる。サーブで徹底的に甲斐を狙って揺さぶり、スパイクに食らいついて拾う。それでも甲斐は崩れず、ギリギリのところで相手を跳ね返す勝負強さを見せた。

 対戦相手が試合を振り返り、"怖さ"という言葉を発していたのが印象的だった。

 2回戦で対戦した中央大は、前年も3回戦で専修大に敗れており、リベンジに燃えていた。第1セット、中央大はミーティング通りに甲斐をサーブで揺さぶり、ディフェンスから切り返して5連続ブレイクを奪ってリードした。しかし終盤、専修大は甲斐のスパイクで24-24とデュースに持ち込むと、甲斐がサービスエースを奪って25-24と逆転。最後も甲斐のサーブで崩し、26-24でセットを奪った。これで主導権は専修大へ。中央大は第3セットを取り返す意地を見せたが、1-3で敗れた。中央大の野沢憲治監督は語る。

「いろいろ工夫はしてきましたが、やっぱりコートの中に入っている子たちが、こちらが思っている以上に怖かったと思う。『まくられるんじゃないか』と、リードしてもリードしている気がしなかったんじゃないか。あれだけリードしていてもミスが出てしまうということは、終始、怖さがあったんだと思います。やはり、いるだけでプレッシャーがかかるようなメンバーですから」

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