SVリーグ女子の最強ルーキー3人 日本バレーボール界の将来を担う内定選手にも注目 (3ページ目)
大山遼(おおやま はるか/大阪マーヴェラス)
大山遼は攻守にわたり活躍できる器用なプレーヤーだこの記事に関連する写真を見る 大山遼は佐藤と筑波大の同期で、佐藤、石倉とともにユニバーシアード日本代表のメンバーにも選出されたミドルブロッカーだ。就実高、筑波大ではセッター対角のライトポジションに入っていた経験もあり、速さだけでなく高いトスもしっかりと叩ける。大阪マーヴェラスでは入団当初、さまざまなポジションに挑戦する選択肢を与えられていたが、大山自身が強く望みミドルブロッカーに専念。リーグ中盤から出場機会を増やし、ブロック、スパイクと攻守にわたり貢献した。
攻撃力の高さを警戒し、大山が前衛時にはショートサーブで狙われる回数も多いが、ディフェンスも含めた器用さを随所で発揮。自らレシーブして多彩な攻撃を展開した。「得意ではない」と言いながらも難なくレシーブをしてから攻撃に入る姿は、堂々たるもの。
「自分を活かすことはもちろんだけれど、周りの攻撃を活かすためにも自分ができることをやる」と話すように、大きく崩れることのない安定感と献身的なプレーも大山の持ち味だ。
高校、大学時代にそれぞれ日本一を経験し、SVリーグでもルーキーイヤーの今シーズン、ファイナルでNECに連勝して、頂点に立った。攻守においてレギュラーシーズン同様、ミスが少なく着実に決めるスパイク力や、劣勢もはね返すブロック力が光ったが、ファイナルではサーブで立て続けにブレイクポイントを上げ、試合序盤からチームに流れをもたらした。
「自分でもあんなにサーブを打ち続けたことはないんじゃないか、と思うぐらい決まった。ミドルは後衛になったらリベロと代わるので、サーブで1点でも多く取って代わろう、という気持ちが形につながってよかったです」
試合後に笑顔で優勝の喜びを噛みしめるとともに、もう1つ、別の喜びも噛みしめていた。大学4年間を共に過ごした佐藤と、SVリーグの決勝という大舞台で対戦できたことだ。大学時代は大山、佐藤がともに「お互いが苦しい時に一番助けてくれる存在」と口にしてきたが、今ではライバルとしてネットを挟み対峙。自らのサーブで佐藤を狙う場面もあり、「こうして戦うライバルになったんだ、と実感した」と言い、「2人とも次のステージで戦えている、ということが何よりうれしかった」と笑みを浮かべた。
盟友とともにさらなる成長を、どれほど見せてくれるのか期待したい。
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