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SVリーグ女子の最強ルーキー3人 日本バレーボール界の将来を担う内定選手にも注目 (2ページ目)

  • 田中夕子●取材・文 text by Tanaka Yuko
  • photo by AFLO SPORT

石倉沙姫(いしくら さき/デンソーエアリービーズ)

 京都橘高から日体大を経て、デンソーエアリービーズへ。昨シーズンの終盤から内定選手として出場機会を増やしてきたが、ルーキーイヤーの今季はアウトサイドヒッターとしてレギュラーラウンド44試合、チャンピオンシップの5試合のすべてでベンチに入り、大半の試合に出場した。

 サーブレシーブから前衛、後衛を問わず攻撃参加をして、託されたトスを打つ。攻撃力の高さに加え、目を引くのはサーブだ。ジャンプフローターサーブの選手が多いなか、ジャンプサーブを武器に何度も相手の守備を崩し、開幕からの9連勝に貢献した。

 会場を沸かせるジャンプサーブは石倉の武器として鮮烈な印象を残したが、石倉は「サーブが全然入らなくて、実はサーブを打つのが怖くなってしまった時期もあった」と明かしたこともある。一度感覚を失うとなかなか取り戻せず、サーブミスを繰り返す選手も少なくないが、石倉は状況を打開するために「まず、思いきり打つことから始めた」という。うまくいかないことに落胆するだけでなく、攻めを忘れず原点に立ち返る。ミスを恐れず攻め続けた結果が、ルーキーイヤーの活躍にもつながった。

 日体大では4年時に主将も務めた。後輩からの人望も厚く、優勝した東日本インカレではMVPも受賞。苦しい状況でもトスを呼び、「つないだボールを決めるのがエースの役目」とコート上でのリーダーシップもいかんなく発揮した。

 デンソーには、京都橘高の先輩でチームの主将を務めるリベロの川畑遥奈や、ブラジル代表で日本でのプレーは2シーズン目を迎え、最多得点で全体2位にランクインしたロザマリア・モンチベレルなど、自らのプレーや振る舞いでチームを束ねるリーダーがいる。そんな選手たちとプレーをしていくなかで、石倉はどんなふうに開花していくのか注目したい。

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