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【ハイキュー‼×SVリーグ】大阪ブルテオン山内晶大が振り返る、パリ五輪のあと1点 『ハイキュー‼』は「もっと早く見ておけばよかった」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 山内は静かにそう言った。飄々とした様子で、冷静と情熱を宿し、浮き沈みを外側に出さない。しかしイタリア戦は、そんなフラットな感情が大きく揺れたという。負けた後のコートで、涙を流した。

「悔しさの涙ですね。『情けない』まではいかないけど、『申し訳ない』という思いも強かったです」

 山内は淡々と続ける。

「イタリア戦は、自分たちのバレーで優位に立つことができていました。1、2セット目はもちろん、3セット目も。でも、"うまくやらされていた"部分もあったかもしれません。

 日本はネーションズリーグで3位、2位と表彰台に立ちましたが、イタリアは国際大会でずっと決勝に近い舞台で戦ってきて、オリンピックでもずっと自分たちの上でした。その差が出たのかなって。"負けたら終わり"のひりついた試合の経験の少なさというか、土壇場から盛り返すという経験が自分たちには乏しかった」

 パリ五輪後、山内は自身のSNSに「Last Dance」と投稿。「代表引退」とも「続行」とも発信していないが、山内は「みんなの取りよう、各々の解釈ですかね。『もう(代表活動は)終わりなんだ』という人もいるかもしれません」と彼は小さく笑う。再び代表に選ばれた時、本人が決断するのだろう。

そこで、最後の質問は角度を変えた。

――パリ五輪前のインタビューで、本大会出場を決めたスロベニア戦後に山内選手は初めてコートで涙を流し、「パリで、そういう瞬間を味わいたい」と話していました。歓喜の涙を流す瞬間はくるのでしょうか?

「そういう試合となると......パリ五輪のイタリア戦、あるいは準決勝で当たるはずだったフランスに勝った後だったんでしょうね。自分たちは、東京もパリもオリンピックでは決勝ラウンドで勝てていないので、そこを勝ち上がった時なのか。もしかすると、SVリーグ初代王者になった時に泣くかもしれない。どんな感情になるかはその時になってみないとわからないですが、そんな瞬間がきてほしいですね」

 現時点の、山内の本心だ。

【山内晶大が語る『ハイキュー‼』の魅力】

――『ハイキュー‼』、作品の魅力とは?

「コロナ禍前くらいから、漫画もアニメも見始めて『もっと早く見ておけばよかった』と思いました。選手のバックグラウンドまで描いていて、リアルですね」

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