パリオリンピック女子バレー 古賀紗理那も「チグハグだった」と振り返った、日本が発揮できなかった強化ポイント (3ページ目)

  • 坂口功将●文 text by Sakaguchi Kosuke

 パリ五輪を前にした7月1日の記者会見で、眞鍋監督は最後の強化ポイントとして「コンビの精度に尽きる」と語った。しかしブラジル戦を終えたあとの古賀が「特にオフェンスの精度がチグハグだったのが敗因」と語ったことから、パリ五輪本番で歯車が狂っていたのは確かだ。

 今年に入り、司令塔に岩崎こよみを抜擢し、経験豊富なベテランのトスワークは攻撃面において安定感をもたらしたが、成熟させるまでに至っていなかったのかもしれない。オリンピックイヤーになって正セッターを擁立した点は、同じくプール戦敗退に終わった東京五輪と重なって見えた。

 決勝トーナメント進出へ一縷(いちる)の望みはあったものの、ケニア戦を終えて古賀は大粒の涙を流してコートに突っ伏した。

 このパリ五輪で現役を引退する古賀を軸に据えて歩んできた3年間。チームとしても個人としても、その集大成を思うような結果で飾ることはできなかった。

 この悔しさを力に変えて--。次なる2028年のロサンゼルス五輪で、また新たな進化を遂げた日本女子代表が見られることを期待したい。

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