男子バレー日本代表はパリオリンピックでメダル獲得に期待 福澤達哉が語る石川祐希やミドルブロッカーなどの進化 (5ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

【パリ五輪のポイントになる試合は?】

――パリ五輪のグループリーグの組み合わせは、アメリカ、アルゼンチン、ドイツと同組のグループⅭ。オリンピックに出場する国はすべて強豪ですが、なかなか厳しい組み合わせなのではないかと思います。

福澤 すべてが強豪国というのはおっしゃるとおりですし、どこが相手でも関係なく、本番までにコンディションを上げ、自分たちのパフォーマンスを発揮できるようにすることが大事だと思います。選手たちも「やるべきことをしっかりやれば、どのチームにも勝てる」という自信を持っていると思うので、あとはそれを、五輪の舞台でも発揮できるかどうかですね。

 あえてポイントを挙げるなら、初戦のドイツ戦でしょうか。ドイツは昨年のワールドカップで、7戦全勝で五輪出場を決めました。その過程で"ジャイアントキリング"も起こしていますし、"台風の目"になり得るチームのひとつだと思います。

 今や多くのチームが、日本に対して挑戦者の気持ちで挑んでくるようになりましたが、この初戦でも"受け"に回らないことが大事。それができたら、アルゼンチン、アメリカ、その後も自分たちのペースで戦えるでしょう。ドイツは「初戦で当たるには一番嫌な相手だな」と思う反面、チームの"スイッチを入れる"という意味では、いい相手かもしれません。

――石川選手は、「ドイツと、アルゼンチン戦に勝つことが大事」とコメントしています。

福澤 東京五輪でアルゼンチンが周囲の予想を覆して銅メダルを獲得した時は、正直驚きました。オリンピックはやはり、ひと筋縄ではいかない大会。勢いがあるドイツ、五輪銅メダリストの実績と自信があるアルゼンチンに対してどんな戦いを見せられるかが、その後を左右することになりそうです。ともあれ、ぜひともメダルを獲って、世界をさらに驚かせてほしいですね。

(後編:女子日本代表のスタイルを分析 「リベロ2名」選出の理由とは?>>)

【プロフィール】
福澤達哉(ふくざわ・たつや)

1986年7月1日生まれ。京都府京都市出身。洛南高校時代に春高バレーに2度出場、インターハイでは3年時に優勝を果たした。卒業後は中央大学に進学し、1年時の2005年に初めて日本代表に選出。ワールドリーグで代表デビューを果たすと、2008年には清水邦広と共に最年少で北京五輪出場を果たす。大学卒業後はパナソニックパンサーズに入団。ブラジルやフランスのリーグにも挑戦しながら、長くパナソニックの主力としてプレーした。2021年8月に現役を引退して以降は、解説者など活躍の場を広げている。

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