男子バレー日本代表はパリオリンピックでメダル獲得に期待 福澤達哉が語る石川祐希やミドルブロッカーなどの進化 (4ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

【熾烈な代表争いをしたリベロは「どちらも世界トップレベル」】

――続いて、主将の石川選手について伺います。福澤さんが解説されていたファイナルラウンド、特に準決勝のスロベニア戦でもキレキレのプレーを見せ、福澤さんも驚きを隠しきれない様子でしたね。

福澤 イタリアリーグでのプレーも見ていたので、パフォーマンス自体に驚いたというよりは、メンタルの安定感と、経験に裏打ちされたプレーの質の高さに対してでしょうか。負けたら終わり、決勝進出をかけた大事な試合でも気負うことなく、いつもどおりの力を発揮してチームをけん引していた。

 オリンピックでメダルを獲るためには、"勝ち方を知っている選手"の存在が重要になると思います。プレッシャーがかかる場面で、いかに自分たちでスイッチを入れていくのかという点でも、石川選手の存在はとてつもなく大きい。単純な技術の高さだけで世界と戦うではなく、石川選手は自分だけじゃなくて、チームメイトのスイッチも入れることができるキャプテンになっている。いよいよ、世界トップの選手になってきていますね。

――リベロの選考についてはいかがでしょうか。今回メンバーに入った山本智大選手、メンバー外となった小川智大選手ともにレベルが高く、福澤さんも解説のなかで「僕が監督だったら選べないです」とおっしゃっていました。

福澤 あらゆるデータなど複合的な要素を考慮した上でブラン監督が選んだのでしょうが、みなさんおっしゃるように、どちらも世界トップレベルのリベロであることは間違いありません。それが日本にとっての大きな強みでもありましたし、それぞれの特長を生かしてチームを支えていました。

 VNLを戦った16名から12名に絞る上でリベロの枠はひとつになりますから、チームとしてはつらい選択をしなければならなかった。ただ、東京五輪以降にふたりで守護神の座を争ってきたからこそ、お互いにスキル、メンタルもあれだけ磨かれたんだと思います。山本選手は東京五輪にも出場しましたが、明らかにパフォーマンス、コート上の立ち居振る舞いも成長している。高め合った小川選手の分も、パリで見せてほしいです。

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