男子バレー日本代表はパリオリンピックでメダル獲得に期待 福澤達哉が語る石川祐希やミドルブロッカーなどの進化 (2ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

――第2週の日本ラウンド、第3週のフィリピンラウンドはいかがでしたか?

福澤 全体を通して、レシーブとつなぎの精度は出場国のなかで突出していると感じました。その上で、しっかりとサーブで攻め続けましたよね。富田選手や甲斐選手もそうですが、もともとサーブがいいチームに、ビッグサーバーが次から次へと出てきているところが大きいです。

 石川選手、髙橋藍選手が合流してすぐの日本ラウンドは、コミュニケーションや連携の部分などでかみ合わない部分もありました。チームが少し不安定ななかで、「非常に頼もしい」と感じたのはミドルブロッカー陣のパフォーマンスです。

 どうしても石川選手や髙橋藍選手、西田有志選手にマークが集まるなか、苦しい場面にミドルで点数を取っていくシーンが多く見られた。 昨年のワールドカップ序盤で、石川選手がパフォーマンスなかなか上がらないシーンがありましたが、そういった経験も踏まえてセッターの関田誠大選手がうまくコントロールしていましたね。中心となる選手がマークされていたり、パフォーマンスが上がらない選手がいたりしても、場面ごとで柔軟に戦術を組み立てて戦っていました。

――第1週でキャプテンを務めた山内晶大選手も、頼もしさが増した印象があります。彼は「オフェンス型のミドルブロッカー」とも言われていましたが、VNLではいいブロックが目立ちましたね。

福澤 昨年から、ブロックは成長していると感じていました。ブロックについては、チーム全体としてもう一段レベルを上げるというのが課題でしたが、それが結果として出てきていますね。

 ミドル陣の練習を見ても、ブロックの手の出し方、体の寄せ方などの意見交換が活発なんです。山内選手も「練習方法を工夫して、感覚的な部分がよくなってきています」と言っていました。それによって、スパイクをシャットアウトしたり、ワンタッチをとって後ろで拾える確率が上がった。あとは経験を重ねたことで、読みや戦術理解なども向上していると思います。

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