石川真佑は「燃えていた」 課題を突きつけられたネーションズリーグで得たものとは (3ページ目)
福岡大会、ラストマッチのアメリカ戦では、東京五輪で金メダルの相手に課題を突きつけられた。ディフェンス力の高さと"火力"が違うスパイクを見せつけられ、ストレート負けだ。
「アメリカはサーブがいい選手が多かったですが、感覚は悪くなかったところで、(レシーブが)浮いてしまってミスが続いていました。触っていたのに上げられなくて......」
石川は口惜しそうに言った。
「(ネーションズリーグでは)試合をやるたび、課題が見えてきました。1週目(トルコ、アンタルヤ大会)、2週目(中国、マカオ大会)と、後半になるといいパフォーマンスを出せない、というのが多くて。アメリカ戦も、コンビが合わない、精度が下がる、というのは感じました。連戦が続いたところで、自分たちで修正できるように(しないといけない)」
アメリカ戦の石川は、劣勢のチームで最多13得点を記録した。第3セット、13-11でリードした場面では、高速バックアタックも成功。堅牢な守りを組むアメリカに果敢に挑んでいた。
「もっと(スパイクの)精度を上げられるはず」
石川はそう言って、向上心と探究心に突き動かされている。強打だけでなく、ブロックを見極め、タッチして落とす。道筋が見えたら、彼女の勝ちだ。
ネーションズリーグ、ファイナルラウンド準々決勝は中国との対戦が決まった。勝利も敗北も糧に。パリに向け、石川のスパイクが閃光を放つ。
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著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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