元男子バレー日本代表の福澤達哉が語る、「ブランジャパン」主将・石川祐希の変化と、進化のカギを握るミドルブロッカー陣 (5ページ目)
――シーズン前の大型補強で話題になったジェイテクトSTINGSは6位と苦しんでいる印象です。
福澤: 柳田将洋選手、関田誠大選手、西田有志選手、スロベニア代表のティネ・ウルナウト選手と"個の力"はリーグ屈指ですが、近年のVリーグはチームに安定感もないと勝てなくなってきています。その点、日本代表の活動によってチームへの合流が遅れたり、西田選手の離脱もあってチームの連携を高める時間が他チームより少なかったでしょうから、それが前半戦は顕著に出た印象です。
競った試合でもターニングポイントで流れをつかみきれないことがありましたが、天皇杯で優勝したことは自信になったでしょうし、調子は上向いていると感じます。戦術の遂行能力が高い選手が揃っていますから、相互理解が深まればかなり怖い存在になる。上位争いもより混戦模様になっていくでしょうね。
その他も魅力的なチームばかりで、力の差はなくなってきています。パス、つなぎ、リバウンドなどの細かいプレーの精度が勝敗を分けることになる。そういった高度な勝負が見られるVリーグの今後から目が離せませんね。
(春高バレーについて:「勝てるチーム」の変化、代表入りも期待の207cmミドルブロッカーなど注目選手も語った>>)
【プロフィール】
福澤達哉(ふくざわ・たつや)
1986年7月1日生まれ。京都府京都市出身。洛南高校時代に春高バレーに2度出場、インターハイでは3年時に優勝を果たした。卒業後は中央大学に進学し、1年時の2005年に初めて日本代表に選出。ワールドリーグで代表デビューを果たすと、2008年には清水邦広と共に最年少で北京五輪出場を果たす。大学卒業後はパナソニックパンサーズに入団。ブラジルやフランスのリーグにも挑戦しながら、長くパナソニックの主力としてプレーした。2021年8月に現役を引退して以降は、解説者など活躍の場を広げている。
著者プロフィール
中西美雁 (なかにし・みかり)
名古屋大学大学院法学研究科修了後、フリーの編集ライターに。1997年よりバレーボールの取材活動を開始し、専門誌やスポーツ誌に寄稿。現在はweb Sportiva、バレーボールマガジンなどで執筆活動を行なっている。『バレーボールスピリット』(そしえて)、『バレーボールダイジェスト』(日本スポーツ企画出版)、『球萌え。』(マガジンハウス)、『全日本女子バレーコンプリートガイド』(JTBパブリッシング)などを企画編集。スポルティーバで西田有志の連載を担当
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