男子バレー髙橋藍が「複雑な気持ち」だったイタリアでの起用法。それでも「身につけられることがある」と思考を変えた (4ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text & photo by Nakanishi Mikari

【言葉は「勉強しています」】

――普段、オフはどう過ごしているんですか?

髙橋 自転車で中心街に行ったり、散歩したり、カフェに行ったりという感じです。特別に何かするということはなく、オフはリラックスするために時間を使っています。

――食事はどうしているんですか?

髙橋 自炊ですね。レストランにもチームメイトと行くことはありますが、体のことも考えて栄養バランスも気をつけながら料理をしています。

――ちなみに石川選手は、すでに流暢にイタリア語を話していますね。

髙橋 ペラペラですね。

――あんな感じを目指している?

髙橋 そうですね。監督やチームメイトの指示は基本イタリア語ですから。ただ、イタリア以外の国の選手も多いので英語もけっこう飛び交いますし、僕に対しては指示を英語で伝え直してくれることもあります。英語を話せればなんとか生活することもできますが......それでも、ちょっとした会話くらいはできるようになりたい。だから今はどちらも勉強しています。

――2シーズン目を過ごすパドヴァの印象は?

髙橋 けっこう若い選手が多くて、このチームで育って飛躍するというイメージがすごくあります。

――仲がいいチームメイトはいますか?

髙橋 ミドルブロッカーのフェデリコ・クロサト選手です。イタリアの選手で、年齢はクロサト選手のほうが1個下かな。今、彼と一緒に過ごしていることもあって仲がよくなりました。

――パドヴァは二部時代の2009年に越川優選手が加入し、一部昇格の原動力となりました。その後、石川選手も在籍した日本人に縁があるチームですね。

髙橋 本当にチームの関係者やファンもすごく"日本人好き"ですね。日本人選手ならではの守備力の高さ、僕もレシーブの部分で評価されていますし、愛を感じますね。

――髙橋選手は日本だけでなく世界にもファンが多く、SNSのフォロワーもかなり増えていますね(Instagramは116.8万人、Twitterは12.8万人。12月22日時点)。すでに積極的に発信されていますが、SNSの活用についてどう考えていますか?

髙橋 SNSは世界中のファンと交流ができる大事なツールのひとつで、同時にバ
レーボールを広めていくのに必要なツールだと考えています。頻繁に発信することで、少しでも髙橋藍とバレーボールを身近に感じてもらえればと思っています。

(後編:石川祐希とバチバチ状態に。「僕が最初にサーブで狙い始めて、狙われるようになった」>>)

【プロフィール】
髙橋藍(たかはし・らん)

2001年9月2日、京都府生まれ。兄の髙橋塁(サントリーサンバーズ)の影響で小学校2年生よりバレーボールをはじめる。東山高校3年生時にはエースとして国体、春の高校バレーで優勝し、2020に日本代表初選出。2021年の東京五輪では全試合にスタメン出場し、男子バレー29年ぶりの決勝トーナメント進出に貢献した。現在は、日本体育大学に在学しながら、イタリア・セリエAのパッラヴォーロ・パドヴァで活躍中。

【著者プロフィール】
中西美雁(なかにし・みかり)

名古屋大学大学院法学研究科修了後、フリーの編集ライターに。1997年よりバレーボールの取材活動を開始し、専門誌やスポーツ誌に寄稿。現在はweb Sportiva、バレーボールマガジンなどで執筆活動を行なっている。『バレーボールスピリット』(そしえて)、『バレーボールダイジェスト』(日本スポーツ企画出版)、『球萌え。』(マガジンハウス)、『全日本女子バレーコンプリートガイド』(JTBパブリッシング)などを企画編集。スポルティーバで西田有志の連載を担当

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る