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ビーチバレー・坂口佳穂、過酷な大会で4位。
「成長スピードを上げないと」 (2ページ目)

  • 小崎仁久●文 text&photo by Kosaki Yoshihisa

 それでも、第1セットは坂口佳&村上ペアが21-17でモノにした。村上のサービスエースできっかけをつかむと、坂口佳が積極的に強打を打ち込んでいって主導権を握る。相手も攻撃のテンポを速めるなどの仕掛けを見せて、中盤までは一進一退の攻防が続いていたが、終盤も村上のサーブがことごとく決まって、坂口佳がしっかりサイドアウトを切ることで、鈴木&坂口由ペアを振り切った。

 しかし、第2セットでは状況が一変。好調な村上のサーブに対して、鈴木&坂口由ペアはレシーブポジションを頻繁にスイッチしてミスを誘い、坂口由がディフェンスに専念するなど、攻守に渡って多彩な変化を駆使してきた。すると、坂口佳&村上ペアはその戦術変化への対応が遅れて、ミスが続出。第2セットを14-21で失うと、第3セットも立て直しを図ることができず、9-15で落として、セットカウント1-2で敗れた。

 その結果、坂口佳&村上ペアはダブルエリミネーション方式の敗者復活サイドに回ることになったが、その初戦は、勝てば準決勝進出となる大事な一戦だった。相手は、ジャパンツアーで活躍している坂本実優(27歳)&沢目繭(25歳)ペア。決して楽な試合ではなかったが、好調を維持する村上のサーブを攻撃の軸とし、隙のない戦いぶりを見せてセットカウント2-0(21-16、21-16)で快勝した。

 準決勝では、西堀健実(38歳)&草野歩(34歳)ペアと対戦。経験豊富なペアで、ジャパンレディース3連覇を狙う強豪である。ともにサーブを武器とし、草野の強打、西堀の勝負強さといった強みもある。

 そんな相手に対して、坂口佳は立ち上がりから果敢に攻めた。「ワールドツアーではどんどん強打を打っていかないと通用しない。ショット(軟打)も、強打があってこそ。だから、攻撃のベースは強打だと考えている」と言うとおり、相手のサーブには狙われたものの、思い切りのいい強打で切り返し、流れを引き寄せていった。

 そして、村上のサーブで相手を崩し、草野の強打を封じると、中盤で14-7と一気に引き離した。その勢いは以降も衰えることなく、21-11で第1セットを奪った。

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