2019.09.22

石川真佑は敵将も認める「日本の宝」。
低身長を補う対応力がすごい

  • 柄谷雅紀●取材・文 text by Karaya Masaki
  • photo by YUTAKA/アフロスポーツ

 バレーボール女子のワールドカップ(W杯)で苦戦が続く日本に、差し込むひと筋の光のような選手がいる。今季、初めて代表に選出された19歳のアタッカー・石川真佑(東レアローズ)だ。

全日本デビューのW杯で活躍する石川 初戦のドミニカ共和国戦でいきなり代表デビュー。ピンチサーバーとして全4セットで出場した。1万人を超える大観衆の中でのプレーに、「最初、コートに立ったときはすごく緊張した」と初々しく笑った。それでもサーブで相手を崩し、自ら相手のスパイクをレシーブしてブレイクポイントを奪うなど、強心臓ぶりを見せつけた。

 イタリア・セリエAでプレーする、男子代表エースの石川祐希(パドバ)を兄に持つ。強豪の長野・裾花中から東京・下北沢成徳高に進み、高校時代は1年生から主力として活躍。全国制覇も経験し、進んだVリーグ1部の東レでも1年目から出場機会を得るなど、実力は折り紙つきだ。

 だが、大会前には「目指していたけど、この舞台に立てると思っていなかった。自分でもびっくり」と明かすほど、サプライズのメンバー入りだった。7月の世界ジュニア選手権と、20歳以下の日本代表が主体で臨んだ8月のアジア選手権を制する原動力となり、ともに最優秀選手に選ばれたことで、W杯直前の8月末に招集されたのだ。

 身長171cm。アタッカーとしては新鍋理沙(久光製薬スプリングス/173cm)と並んでチームでもっとも小さい。しかし、プレーのスケールはとてつもなく大きい。

 世界に衝撃を与えたのは第2戦のロシア戦だった。劣勢の第1セット途中から出場すると、終盤にレフトからスパイクを決めて代表初得点をマーク。ここからが圧巻だった。身長190cm以上の大型選手がずらりと並ぶロシア相手に一歩も引かない。レフトから強打をたたき込めば、バックアタックでも得点を重ねる。ブロックの間を抜いたり、脇を抜いたり、指先に当ててブロックアウトを奪ったり……。44本を打って19本を決めた。

 スパイク決定率は43.1パーセント。試合後は「自分が思っているトスじゃなかった時に、そのまま打ってしまってブロックされてしまうことがあった。そういう時に、もっと瞬時に(いい)判断ができたら」と反省ばかりを口にした。しかし、「自分が思っているトス」が来た時にはイメージ通りに決められる、という手応えもつかんだという。それは、ロシアのセルジョ・ブザート監督に「石川は若いが、リーダーだ。日本の宝だと思う」と言わしめるほどの存在感だった。