ビーチバレーの「プレ五輪」。坂口佳穂の意識はどこまで膨らんだか (3ページ目)

  • 小崎仁久●文 text&photo by Kosaki Yoshihisa

 プール戦第2試合の相手は、パラグアイのミッシェル&エリカペア。20歳と21歳という若いチームで、今季から積極的にワールドツアーを回っている新鋭のチームと戦った。

 第1セットは、鈴木のショット(軟打)で相手のディフェンスを翻弄。確実にサイドアウトを切って、21-17で奪った。ところが、第2セットに入ると、坂口&鈴木ペアのミスが増えた。パラグアイペアの多彩なサーブにも後手を踏んで、12-21でセットを落とした。

 セットカウント1-1に詰め寄られた坂口&鈴木ペア。第3セットもパラグアイチームに先行されたが、そこから辛抱強く踏ん張った。レシーブのポジションを入れ替え、ブロック体制も変えるなど、あらゆる手を打って終盤に追いついた。

 そして、先にマッチポイントを握ってからはパラグアイペアの根気強いプレーに苦しむも、最後は「諦めずに最後まで粘った」という坂口がスパイクを決めて、21-19でセットを奪取。セットカウント2-1で勝利をものにした。

 プール戦で1勝1敗として、坂口&鈴木ペアは目標のひとつに挙げていた決勝トーナメント進出を果たした。だが、決勝トーナメント1回戦で、日本勢では世界ランキング最上位の石井美樹(28歳)&村上めぐみ(32歳)ペアと激突。今季、国内で2度対戦して2度とも負けているチームに苦杯をなめた。

 第1セットは、坂口&鈴木ペアの攻守がともに機能。「相手の様子を見過ぎた」(村上)という石井&村上ペアの対応が遅れるなか、坂口のスパイク、ブロックも決まって21-19と奪った。だが、そこから日本ナンバー1チームが本領を発揮。石井、村上がともにサーブの強度を上げると、坂口&鈴木はサイドアウトを切れなくなって、第2セットは11-21という大差で奪われた。

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