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ビーチバレーの「プレ五輪」。
坂口佳穂の意識はどこまで膨らんだか (2ページ目)

  • 小崎仁久●文 text&photo by Kosaki Yoshihisa

 各組4チームで競うプール戦。プールEの坂口&鈴木ペアは、第1試合でアメリカのフリント&デイペアと対戦した。

 同アメリカペアは、プールEのトップシード。アメリカのツアーでも優勝している、経験豊富なペアだ。前週のワールドツアー、中国・海陽大会(3-Star)でも優勝しており、坂口&鈴木ペアにとってみれば、明らかに格上の相手だった。

 実際、第1セットから両者の力の差が出た。立ち上がりから、鈴木がサーブで押し込まれると、リズムをつかめないまま、一気に点差をつけられた。サイドアウトが切れず、坂口の武器であるサーブも決まらない。終始相手に圧倒されて、11-21とあっけなくセットを落とした。

 しかし、第2セットでは流れが一変。「もう1回、"ここから"と切り替えた」という坂口&鈴木ペアがディフェンスを立て直し、第1セットではまったく機能しなかったブロックも、フェイク(ブロックに跳ぶと見せかけて後ろに下がる)を多用してレシーブボールが上がるようになり、ゲームの主導権を握った。

「ミスしてもいいから、攻めようとした」と話す坂口のサーブも効果率が上昇。中盤までシーソーゲームに持ち込んで、その後は坂口のブロックポイントやサービスエースも決まり出して、21-17でセットを奪い返した。

 これで、坂口&鈴木ペアに流れは傾きかけたように見えたが、第3セット序盤、鈴木のスパイクなど細かいミスが続出。あっさりと相手に流れを引き渡してしまい、再びアメリカペアに置いていかれた。

 結局、1-7と点差が開くと、その差を詰めることができず、7-15でセットを失ってセットカウント1-2で敗れた。鈴木は「トスの精度や、サーブの狙いの曖昧さなど、ちょっとしたことから崩れてしまった」と悔しがった。

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