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ホープ古賀紗理那の落選にみる
女子バレー「メダル獲り」の本気度 (3ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari 坂本 清●写真 photo by Sakamoto Kiyoshi

 OQTでの古賀は、故郷熊本の震災に胸を痛め、「熊本の人に元気を届けたい」と意気込んでいたが、その気持ちがやや空回りしたのか、レセプション、スパイクともに安定せず、タイ戦以降はベンチを温めることになった。6月9日からブラジルでスタートしたワールドグランプリでやや復調したものの、最終日のロシア戦でもやはりレセプションを崩され、スパイクでも、ブロックが1枚になってもミスするなど精彩を欠いた。

「このグランプリで自分をアピールすることはしっかりできた」と古賀は振り返っていたが、五輪にはあと少し届かなかった。バレー人生で初めての大きな挫折となるが、これを糧に東京につなげて欲しい。

 また、復帰が期待された江畑も昨年の大きなケガのあとジャンプ力が落ち、ワールドグランプリでも主力の抜けたタイなど、身長の低い相手には通用したが、セルビアといった高いブロック相手にはかつての攻撃力と勝負強さを失っていた。全日本での飛躍を念頭においた海外移籍と、帰国後のケガについて聞かれると、言葉を詰まらせてうつむく場面もあり、試合後のミックスゾーンで発した「私にもまだ五輪の可能性は残されているんでしょうか」という言葉からも、外れることを途中から予測していたようだった。

 4年前の五輪メンバーは、OQTから入れ替えがあった。今回はそれがない。その理由に、眞鍋監督の言う「チームワーク」があるだろう。今年度全日本がスタートしてから、眞鍋監督はずっと「化学変化が必要」と言い続けてきた。OQTが終わった段階では「まだ化学変化は見られませんね」と言っていたが、薄氷を踏んだフルセット大逆転勝ちのタイ戦、切符をつかんだイタリア戦でのメンバーを残したことを考えると、「チームワーク=化学変化」のカギはこの2戦にあって、その兆しが見えたのではないだろうか。

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