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キーマンは若き司令塔・宮下遥。気迫のトスがリオ出場を決める! (2ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari   中村博之/PICSPORT●写眞 photo by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT

 しかし、今大会では大差がついたときに"馴らし"で入れる以外は控えのセッター(田代佳奈美)を使わず、ほぼフル出場で宮下がトスを上げ続けている。3月の合宿に、長らく全日本の司令塔をつとめた竹下佳江さんが訪れ、「もう遥がひとりで頑張るしかないんだよ」と言われて目が覚めた。

 眞鍋政義監督も「控えは全日本経験のない田代だけですから、この大会は宮下に頑張ってもらいます。今現在、彼女が日本で一番のセッターですから。トスだけでなく、サーブ、ブロック、レシーブ、すべてがいい選手です」と太鼓判を押す。

 同じ岡山の山口舞は「今年になってから、『自分がやるしかないんだ』と覚悟を決めたんだなという変化が、会話をしていても、プレーをしていても伝わってきます。去年までとは違いますね」と言う。木村沙織主将は「思いきってミドルを使ったり、いいところでバックアタックを絡めたり、どんどんコンビが増えて、リズムがだんだんできてきた」と評価し、石井優希も「トスもほしいときに要求したボールをきちんと上げてくれますし、アイコンタクトが今までよりできるようになりました」と宮下の成長を実感している。

 実のところ、宮下はこれまで「自分のプレーをしっかりしていれば、コミュニケーションはそれほど重視してない」という姿勢だった。だが、今大会では「バレーボールはコミュニケーションが大切、特にセッターにとっては大切だと思うようになりました」。

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