キーマンは若き司令塔・宮下遥。気迫のトスがリオ出場を決める! (3ページ目)
フルセットで大逆転勝ちしたタイ戦では、「初めてのことなんですけど、3セット目の途中から最後まで手が震えていました」という宮下だが、続けて「こういう試合をずっと一人で上げきって、勝つことができたことは自分にとって、とても自信になりました」と胸を張った。
そして、休息日を挟んで臨んだドミニカ戦。宮下は「何とか決めてもらいたいと信じて」長岡にトスを集めた。韓国戦では、それで手詰まりとなって敗れたが、今度は長岡が期待に応えて、粘るドミニカを突き放した。
しかし、宮下は試合後のミックスゾーンでは名前を呼ばれても足早に立ち去り、記者会見でも言葉が少なかった。
「今大会、ずっと正セッターとしてトスを上げ続けて、毎試合たくさんの経験を積まれていると思いますが?」と問われても、硬い表情で「経験は本当にたくさん積んでいますが、この大会は結果だけを求められる試合。よい経験を積みました、では済まない大会なので、覚悟を持ってあと2戦に集中したい」と一言ずつ押し出すように語った。その様子は、韓国戦後に「敗れたけれど、悔いはありません」とコメントした宮下に対して、「この大会は負けられない大会ですが、絶対的司令塔としての自覚と責任についてはどう考えているのか?」と厳しい質問が投げかけられ、長い間うつむいて沈黙した後、「やらなきゃいけないとは感じています」と声を振り絞っていた姿が重なった。
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