2016.05.19

サオリン&さおりが泣いた。タイ戦の大逆転劇を生んだメダリストの底力

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu    中村博之/PICSPORT●写眞 photo by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT

 主将の木村沙織が泣いた。前主将の荒木絵里香も、活躍した迫田さおりも泣いた。絶対絶命の窮地からの大逆転勝利。木村は涙声で漏らした。

「絶対、ここで終わらせたくないという気持ちで、みんなで戦いました。次につながったなという気持ちと、プレーで足を引っ張ってしまって申し訳ないという気持ちの両方がありました」

 マッチポイントをスパイクで決めたのは、途中からコートに入った迫田である。ひとりで24得点と爆発した。試合後、最後の最後に大会登録メンバーから漏れた江畑幸子と喜びを分かち合った。ポジション争いをつづけたライバルであり、仲間であった。

「(最後のスパイクは)たくさんの人の思いが詰まったボールで重かったです」

 記者と交わるミックスゾーン。記者から江畑の名前が出ると、迫田はたまらず、また目から涙をあふれさせた。

「自分はギリギリの、ほんとギリギリで(大会メンバーに)入れたと思っている。エバ(江畑)の気持ちを考えたら、絶対、絶対、がんばりたいと思いました。今日も(会場に)来てくれて……。自分のできることを、一生懸命、コートで表現しようと……。ほんと、うれしかったです」

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