【バレー】登録メンバー発表、五輪最終予選でカギを握る試合は? (2ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●写真 photo by Sakamoto Kiyoshi

 五輪出場権を獲得するのは、出場する全チームの中で上位3チームと、それ以外のアジア1位のチームである。全日本の中で鍵となるのは、何と言っても木村沙織。眞鍋監督の信頼は厚く、「3年間個人的にプレッシャーを与え続けた。日本の柱になった」と太鼓判を押す。ついで、ライトの山口舞も「ミスが少ない、チームの中心となる選手」と高評価。また、強力な攻撃力を持つ江畑幸子のことは、「ワールドカップでは安定してエースとして働いた。今後も安定した力を期待している」。このウィングスパイカー陣3枚に、いかにミドルブロッカーや控えのウィングスパイカーたちが上積みできるか、に注目だ。

 また、眞鍋監督は、昨年から目標として4つの世界一、「ディグ」(スパイクレシーブ)、「サーブ」、「サーブレシーブ」、「ミスによる失点の少なさ」を掲げている。昨年のワールドカップは、「ディグ」が世界一になっての4位だったが、他の3項目はまだ向上の余地がある。これをオリンピック本番の前にどこまで詰められるか。

 出場権獲得に関して、ポイントとなる試合は5月22日のタイ戦と23日の韓国戦になる。

 タイは司令塔のヌットサラが円熟期に達し、国際的にも高い評価を得ている。日本はタイのスピードバレーに対抗する必要がある。

 また韓国にはトルコリーグでMVPを獲得した身長192cmのエース、キム・ヨンギョンがいる。特に韓国は、昨年のワールドカップの時にも、大会順位にはこだわらず、照準は世界最終予選に合わせているとコメント。力を入れてくるのは間違いない。キム・ヒョンシル監督は、「攻撃的なチームにした」と自信を見せる。日本がアジアで1位になるには、どうしても下さねばならない相手である。

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