【バレー】ミス多発で完敗。韓国戦で見えた「日本の生命線」

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu
  • photo by Tsukida Jun/AFLOSPORT

五輪最終予選で韓国に初黒星を喫した日本。エース木村沙織も不発五輪最終予選で韓国に初黒星を喫した日本。エース木村沙織も不発
 悪夢のような敗戦だった。女子バレーボールの日本が、ライバル韓国に崩された。満員観衆の嘆息がもれる中、エースの木村沙織はうなだれた。

「相手のエースにすごく決められて......。自分たちの攻撃が単発になってしまって、すごく悔しいです」

 23日のロンドン五輪女子最終予選。日本は韓国に1-3で敗れ、初黒星を喫した。これで3勝1敗の勝ち点9。五輪切符が消えたわけではないけれど、ショックの残る敗北である。

 よく研究されていた。木村がサーブで狙われ、ブロックをスパイカーに合わされた。相手のブロックとレシーブの連係がいいから、しぶとく拾われる。逆に日本はサーブが弱いから、韓国にスピーディーなコンビバレーを許してしまう。少々の乱れでも、192cmの金軟景(キム・ヨンギョン)に強打を次々に決められた。

 日本自慢の「データ重視バレー」も肝心のサーブとレシーブが乱れると、うまく機能しない。レシーブの精度が悪いから、トスも微妙に流れた。試合の数字をみれば、エースの差が見える。金軟景の34得点に対し、木村は21得点だった。木村だって頑張った、でも相手のエースが良過ぎた。

 それにしてもライバル心むきだしの金軟景のガッツポーズは派手だった。かつてJTに所属し、昨季はトルコのクラブチームでプレイした24歳が言う。

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